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医療
田村 卓也院長
臍ヘルニア治療について2
幼少期より臍ヘルニア(でべそ)をお持ちの方は多くおられると思います。
成人で発症する臍ヘルニアは稀と言われていますが、発症される方が確実におられるのも事実です。
「でべそ」という言葉が一般的なため臍ヘルニアと言われるとピンとこない方も珍しくないと思います。
臍ヘルニアは臍部の筋膜の隙間が広いことにより発症するヘルニアです。
飛び出したり戻ったりすることが特徴ですが、これは皮膚の下まで筋膜を超えて内臓が飛び出しているからです。
飛び出した内臓が戻せなくなった状態を嵌頓(嵌まり込んで抜けなくなること)と言います。
腸管などが嵌頓すると痛みが生じ、腸閉塞の状態になることもあります。
一方腹腔内や腹壁の脂肪が嵌まり込んで戻せなくなった場合は、痛みを生じないことがあります。
この場合でも見た目は同様にいわゆるでべその状態です。
臍ヘルニアは上記のように健康上の問題だけでなく、美容の上でも問題となります。
縦長の臍が好まれる傾向にあるという報告も出ています。臍形成は保険では行うことがむつかしいですが、
臍ヘルニア(でべそ)であれば保険適応で手術可能です。
臍ヘルニア(でべそ)は腹壁の構造上の問題であるため手術でしか治せません。
先ほど述べたように臍ヘルニアは重大な健康リスクにもつながるため、治療すべき疾患なんですね。
当院では臍ヘルニアの方に限らず、腹腔鏡手術の数だけ臍の傷と向き合ってきました。
ただ治すではなく、きれいに治すということは大切なことだと考えます。