医師紹介・院長ブログ
- ホーム
- 医師紹介・院長ブログ
- 腹腔鏡手術について
腹腔鏡手術について
皆様こんにちは、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
「身体に優しい侵襲の低い手術」について聞いたことはありますでしょうか。
この記事では、1990年ころから日本でも行われ始めた内視鏡手術について解説いたします。
腹腔鏡手術ってなに?
腹腔鏡手術は、カメラを腹部に挿入し、モニターに腹腔内の様子を映し出し、映像を見ながら手術をする方法です。
通常の開腹手術と異なり、5~10mmのとても小さな傷を3~4箇所あけて行います。
腹腔鏡手術のメリット
1.小さな傷
腹腔鏡手術は腹壁の傷が小さいため、術後の痛みは段違いに少ないです。
2.術後の癒着が少ない
手術の後に腹腔内臓器が癒着して腸閉塞になることがあります。
腹腔内臓器を手で直接触ることで、臓器の表面に細かい傷がついてしまうからです。
腹腔鏡手術では腹腔内臓器を手で直接触ることがないため、術後の癒着が起きることはありません。
3.よく見える
開腹手術の場合、術者は1メートル先の臓器を肉眼で見て手術を行います。
腹腔鏡手術では、カメラの5㎝先にある臓器を約4倍に拡大してモニターに映し出します。
腹腔鏡手術の普及により、以前は外科医が気づいてなかった細かい血管や神経などは
日本での普及
腹腔鏡手術が日本で初めて行われたのは1990年であり、山川達郎医師による胆嚢摘出手術でした。
1992年には日本で既に世界初の腹腔鏡下胃切除術が行われましたが、技術の難易度が高い事もあり、普及には至りませんでした。
ところが2006年夏に慶応大学で王貞治監督の胃全摘手術を宇山一郎医師(現藤田医科大学総合外科教授)が行ったことをきっかけに、一気に腹腔鏡による低侵襲手術の知名度が上がりました。
現在では、鼠経ヘルニアや胆石症など良性疾患の手術だけでなく、大腸がん根治術、胃がん根治術、食道がん根治術など悪性腫瘍の手術でも内視鏡を使った手術が一般的となってきました。
腹腔鏡手術の普及による外科治療の革新や麻酔技術の向上により、従来は入院が必要であった多くの疾患で日帰り治療が可能となりました。
鼠径ヘルニアと腹腔鏡手術
従来の鼠径ヘルニアの治療は鼠径部切開法が一般的でした。
鼠径部を7cmほど切開し、鼠径ヘルニアの最初の出口となる内鼠径輪をメッシュで塞ぐ方法です。
腹腔鏡で行う手術が鼠径部切開法より優れる点は以下の4つがあげられます
1.両側を観察可能
術前のエコー検査で反対側にも鼠径ヘルニアが存在するかどうかを確認しますが、腹腔鏡手術は腹腔内から反対側の鼠径ヘルニアの有無を直接観察する事が可能です。
反対側にも鼠径ヘルニアがある場合、同時に手術する事が可能です。(両側手術と片側手術の手術費用は同じです。)
2.すべてのヘルニア門を覆える
鼠径部のヘルニアは外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、と3つあります。
鼠径部切開法ではそのうちの2つ、外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアのヘルニア門をメッシュで覆う事が可能です。
それに対して、腹腔鏡手術は3つのヘルニア門すべてをメッシュで覆う事が可能です。
3.感染を起こしにくい
術後感染は創部の皮下脂肪に生じます。
腹腔鏡手術は創部が小さいため、感染のリスクが低いです。
また、創部感染を生じたとしてもメッシュまで距離があるため、最も厄介な合併症であるメッシュ感染に至る事はありません。
4.術後の回復が早い
腸蠕動回復までの時間、初回歩行までの時間、経口摂取再開までの時間が早いと言われています。
鼠径ヘルニアの治療については一度ご相談ください
当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。
消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。
平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。
電話やLINEで24時間相談を受け付けております。
いつでもお気軽にご相談ください。