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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニアを手術するタイミング

鼠径ヘルニアは手術でしか治癒できない疾患です。ただ鼠径ヘルニアと診断されても、全員がただちに手術しなければいけないということはありません

この記事ではどのようなタイミングで鼠径ヘルニアを手術すべきなのかについて詳しく解説していきます。

 

鼠径ヘルニアとは?

鼠径ヘルニアは足の付け根、鼠径部と呼ばれる部分で、お腹の内容物が皮膚の下まで飛び出す病気です。

鼠径部にはお腹の壁が弱くなりやすい部分があるため、内臓を支えきれなくなることが原因と言われています。

 

鼠径ヘルニアの症状

鼠径ヘルニアの症状は様々ですが多くの場合、立っている時に飛び出して、仰向けに寝ると平らに戻ります。

立っている状態でも、手で押すと膨らみがなくなった場合は鼠径ヘルニアの可能性が高いです。

これは鼠径部でお腹の筋肉の隙間から内臓が飛び出したり戻ったすることで起きています。

膨らみがなくなったということは、内臓をあるべき位置に戻せたということになります。

私たちはこの「内臓をあるべき位置に戻せたこと」を「還納できた」と表現します。

 

鼠径ヘルニアの手術を急ぐ症状

 

早めの手術が推奨される鼠径ヘルニアの症状

鼠径部の膨らみが平らになることがあったら鼠径ヘルニアの可能性が高いですが、急ぐ場合とはどのような時でしょうか?

 

答えは膨らみ以外の症状がある時です。

 

足の付け根が膨らんでいて痛い、膨らんでいて違和感が強いという場合は、手術を急いだほうが良いかもしれません。

中には長年鼠径ヘルニアを患っていて、精巣(睾丸)付近まで膨らみが広がっているため歩くのに支障が出ているという方もおられます。

お困りの症状を手術により改善し、日々の暮らしの質を上げることが出来るのであれば、早いに越したことはないでしょう。

目安としては症状に気付いてから1か月以内というところでしょう。

 

今すぐ治療を受けた方が良い鼠径ヘルニアの症状

とりわけ急いだほうが良い症状は鼠径部の膨らみが突然戻らなくなって痛い時です。

鼠径部の膨らみが突然戻らなくなったときは鼠径ヘルニア嵌頓の状態になっているかもしれません。

鼠径ヘルニア嵌頓は緊急あるいは準緊急的に手術が必要です。急いで医療機関を受診しましょう

 →危険な状態嵌頓についてはこちらの記事もご覧ください

膨らんでいるだけの鼠径ヘルニアはいつ治す?

では膨らみ以外の症状が全くない場合はどのタイミングが適切なのでしょうか?

 

これは個人的意見ですが「治したい」と思ったタイミングが手術のやり時かと思います。

 

「ただ足の付け根に膨らみやしこりがあるだけで痛みもないし」

脱腸(鼠径ヘルニア)と言われたが単に膨らんでいるだけだから」

 

という場合、何年も治療せずに経過を見ているという方は多いのではないでしょうか?

 

「それぐらいなら手術しなくて良いんじゃないか?と言われた」

という声もたびたび耳にします。

もちろんそれも正しい答えかもしれません。

 

ただ一方で、

鼠径ヘルニアを放置することにも一定のリスクがあることは、すぐに手術しなくて良いことと同様に認知されているべき

であるとも思います。

ヘルニアは腸閉塞の原因の約25%を占めるともいわれております。

腸管が陥頓することで、腸閉塞となります。

腸閉塞状態では、拡張した腸管でお腹の中にスペースが作れず腹腔鏡による手術は困難です。

通常の鼠径部を切開する手術法よりも大きな創でなければ手術できないこともあります。

もちろん入院は必要になると思います。

嵌頓する前に手術ができれば良いタイミングでの手術だったといえるでしょう。

 

鼠径ヘルニアの嵌頓はいつ起きるの?

しかし厄介なことに、嵌頓はいつ起きるかわかりません

また小さなヘルニアだから嵌頓しないというわけでもありません

膨らみはあまりないのに嵌頓し、激痛がある状態で受診されるということもよくあります。

それでも今は痛くないし困ってもいないので手術を決断しかねる、という方もおられると思います。

 

そんな方によくお声がけさせていただく言葉が、私の個人的な意見である

 

鼠径ヘルニアは治したいと思ったときが手術のタイミング」です。

 

鼠径ヘルニアの手術はMIDSクリニックへ

私達、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックはそんな「治したい」という思いにお答えします。

ただ治すのではなく、できるだけ負担を軽減して治すことにこだわっています。

日帰り腹腔鏡手術はこの課題に対する一つの答えであると考えます。

 

緊急手術は誰にとっても避けるべきことだと思います。

治療のハードルを下げることで、結果として良いタイミングで鼠径ヘルニアを治すことできるかもしれません。

私たちなら可能です。いつでもご相談ください。

 

情報提供元

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階

電話番号:06-6341-5570

 

 

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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