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論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

4つのヘルニアを同時に治療!最新の腹腔鏡手術症例から学ぶヘルニア治療の進歩

こんにちは、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。


はじめに

足の付け根にある鼠径部(そけいぶ)は、内臓を支える重要な役割を担う筋肉や腱膜で構成されています。年齢とともにこの部分が弱くなり、特に50歳以上の方に症状が見られることが多くなります。

ヘルニアの基礎知識

鼠径ヘルニア(脱腸)は、この弱くなった部分から腹腔内の臓器(主に腸)が飛び出してくる病気です。日本人の約100人に1人が発症する比較的一般的な疾患で、立った時の膨らみや痛み、横になると症状が改善するなどの特徴があります。重いものを持つと症状が悪化することも多く見られます。

最新の研究から見える治療の進歩

インドの医学誌「Cureus」(2024年10月発表)に、非常に興味深い症例が報告されました。59歳の男性患者が4つの異なるタイプのヘルニアを同時に抱えていたケースです。具体的には、右鼠径ヘルニア(脱腸)、左スピゲリアンヘルニア、臍(へそ)ヘルニアが術前に確認され、さらに手術中に左閉鎖孔ヘルニアが発見されました。

画期的な治療成果

この症例では、腹腔鏡手術により4つすべてのヘルニアを一度の手術で修復することに成功しました。小さな傷で済む低侵襲手術を実現し、術後わずか5日で退院、その後6ヶ月の経過観察でも合併症は見られませんでした。この治療法は、患者さんの負担を最小限に抑えながら、費用対効果の高い治療を実現した画期的な例といえます。

当院での治療について

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックでは、このような最新の手術事例を参考に、より安全で効果的な治療を提供しています。豊富な手術実績を持つ専門医による日帰り腹腔鏡手術を専門としており、最新の医療機器と丁寧な術後フォローで、患者さまの早期回復をサポートしています。

早期発見・治療の重要性

お腹や足の付け根に違和感や膨らみを感じられる方は、早めの受診をお勧めします。立ち上がった時の膨らみ、重いものを持つ際の痛み、咳やくしゃみでの症状悪化など、気になる症状がある場合は、専門医への相談が重要です。当院では無料相談も実施しており、一人一人の状況に合わせた最適な治療プランをご提案させていただいています。

ご予約・お問い合わせ お電話またはWeb予約にて承っております。まずは気軽にご相談ください。

【出典】 Mane PS, et al. Quadruple Hernia: A Rare Case Report. Cureus. 2024;16(10):e70962.

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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