1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 【最新研究】BMIが高いと鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクが下がる? ~遺伝子研究からわかった意外な関係~
論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

【最新研究】BMIが高いと鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクが下がる? ~遺伝子研究からわかった意外な関係~


こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。 本日は、2024年に発表された興味深い研究について、わかりやすくご紹介したいと思います。

【出典】 Scientific Reports 誌に掲載された研究: "Evaluating the relationship between standing height, body mass index, body fat percentage with risk of inguinal hernia: a Mendelian randomization study" (2024年発表)

■研究のポイント

従来、肥満は鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクを高めると考えられてきましたが、最新の遺伝子研究でそれを覆す結果が明らかになりました。

■主な研究結果

  1. BMI(体格指数)が高い人は、鼠径ヘルニア(脱腸)になりにくい
  2. 体脂肪率が高い人も、同様にリスクが低い
  3. 身長については、はっきりとした関連は見られない

■なぜこの研究が重要なのか?

  • 遺伝子情報を使用した新しい研究手法(メンデルランダム化法)により、より信頼性の高い結果が得られました
  • これまでの「肥満は危険因子」という考え方を見直す必要性を示しています

■研究の限界

  • 欧州の方々のデータに基づく研究のため、日本人への適用には更なる研究が必要です
  • 鼠径ヘルニア(脱腸)の種類(直接型・間接型)による違いは考慮されていません

■今後の展望

  • 日本人を対象とした同様の研究の実施
  • より詳細な予防戦略の確立
  • 個々の患者さんに合わせた治療方針の最適化

■当院からのメッセージ

この研究結果は興味深いものですが、鼠径ヘルニア(脱腸)の症状がある方は、体型に関わらず早めの受診をお勧めします。放置すると症状が悪化する可能性があり、最悪の場合、緊急手術が必要になることもあります。

当院では、痛みの少ない腹腔鏡手術による日帰り手術を提供しています。「おなかの膨らみが気になる」「重いものを持つと痛む」といった症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については、必ず医師にご相談ください。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

一覧へ戻る