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虫垂炎論文紹介
田村 卓也院長
虫垂炎の超音波診断が進化!より正確な新しい基準が登場
こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
今回は、虫垂炎診断に関する画期的な研究をご紹介します。この研究は2024年に欧州放射線学会誌(European Radiology)に掲載された、Wu氏らによる論文です。
💡 なぜこの研究が注目されているの?
急性虫垂炎の診断では、超音波検査が重要な役割を果たしています。これまでは虫垂の最大外径が6mm以上あるかどうかを基準にしていましたが、より正確な診断方法が求められていました。
📊 新しい診断基準とは?
この研究では、22,127人の患者さんのデータを分析し、以下のような新しい基準を提案しています:
- 虫垂の横断面で2つの直径の合計が13.5mm以上の場合に虫垂炎と診断
- この新基準による診断の正確性:
- 正しく虫垂炎と診断できる確率:98.7%
- 正しく正常と診断できる確率:99.3%
- 診断が正しい確率:99.7%
これは従来の基準と比べて、かなり精度が向上しています!
🏥 この研究の意義
- より正確な診断が可能に
- 不必要な手術を減らせる可能性
- 特別な機器は不要で、すぐに導入可能
- 医療費の削減にも貢献
✨ 当院からのメッセージ
急性虫垂炎の症状(おなかの痛み、吐き気、発熱など)がある場合は、できるだけ早めに医療機関を受診することが大切です。当院では、状態が安定している患者さんに対して、待機的な日帰り腹腔鏡手術を提供しています。
この新しい診断基準により、より正確に手術の必要性を判断できるようになりました。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
📚 参考文献
Wu S, et al. Using a sum of the cross diameters of the appendix measured on ultrasonography as a criterion can more effectively predict acute appendicitis. European Radiology, 2024. https://doi.org/10.1007/s00330-024-11108-5