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論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長
コロナ禍でヘルニア緊急手術が増加?手術延期のリスクを考える
COVID-19パンデミックがヘルニア手術に与えた影響
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、COVID-19パンデミックがヘルニア手術に与えた影響について、最新の研究結果をご紹介します。
オランダの研究チームによる調査
オランダの研究チームが行った調査が、医学雑誌「Hernia」2024年28巻1855-1859ページに掲載されました。この研究では、パンデミック前後でヘルニア手術がどのように変化したかを分析しています。
研究の主なポイント
- 目的:コロナ禍で予定手術が延期されたことで、緊急手術が増えたかどうかを調べました。
- 方法:オランダの4つの病院で2019年3月から2023年3月までの手術データを分析しました。
結果
- パンデミック中、ヘルニア手術の総数は15%減少しました。
- しかし、緊急手術の割合は4.7%から5.5%に増加しました。
- パンデミック後も、緊急手術の割合は4.9%と高いままでした。
- 特に、おなかの手術跡にできるヘルニア(切開部ヘルニア)で緊急手術が増える傾向がありました。
この研究から分かること
- 予定手術を延期すると、緊急手術が必要になるリスクが高まる可能性があります。
- 特に、おなかの手術跡のヘルニアは注意が必要です。
- 緊急手術は合併症のリスクが高いため、できるだけ避けたほうが良いでしょう。
研究の限界と日本への示唆
この研究には、患者さんの個別データがないなどの限界もありますが、日本の医療にも重要な示唆を与えてくれます。パンデミック時でも、ヘルニアの手術を安全に行える体制づくりが大切だと言えるでしょう。
当院の取り組みと早期治療のすすめ
当院では、鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り腹腔鏡手術を専門に行っています。もしヘルニアの症状でお悩みの方は、早めの受診をおすすめします。緊急手術のリスクを避け、安全で快適な治療を受けていただくために、お気軽にご相談ください。あなたの健康と安心を第一に考え、最適な治療法をご提案いたします。