1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 「隠れ鼠径ヘルニア(脱腸)の診断に関する最新の研究成果:患者さまにとってのメリットとは?
論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

「隠れ鼠径ヘルニア(脱腸)の診断に関する最新の研究成果:患者さまにとってのメリットとは?


最新研究紹介:隠れ鼠径ヘルニアの診断について

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックのブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、鼠径ヘルニア(脱腸)の診断に関する最新の研究成果についてお伝えします。

アメリカの医学雑誌「Hernia」に掲載された研究

アメリカの医学雑誌「Hernia」に掲載された最新の研究「Recommendations for the diagnosis of occult inguinal hernias using a modified Delphi technique」では、隠れ鼠径ヘルニア(脱腸)の診断方法について、専門家の意見をまとめています。

研究の目的と方法

  • 目的:隠れ鼠径ヘルニア(脱腸)の診断基準を専門家の意見をもとに決定すること。
  • 方法:外科医3名と放射線科医5名が参加し、オンラインでのアンケートと話し合いを行いました。

研究結果

  • 診断基準:隠れ鼠径ヘルニア(脱腸)の診断には、おなかの中身が太ももの付け根に飛び出しているか、または腹膜(おなかの内側を覆う膜)の変化が必要です。
  • 推奨検査:最初の検査方法として、力んだ時の変化を見る超音波検査が推奨されました。
  • 放射線科への伝達事項:検査の理由、症状、手術歴などの情報を事前に伝える必要があり、検査結果にはヘルニアの有無や大きさ、中身を含めるべきであると決まりました。

研究の結論

この研究により、不必要な手術や患者さんの不安を減らせる可能性が示されました。また、医師同士のコミュニケーションの重要性も強調されています。

日本の医療への影響

この研究は、日本の医療にも大きな影響を与える可能性があります。例えば、以下の点が期待されています:

  • 診断の標準化による医療の質の向上
  • 不必要な検査や手術の減少による医療費の抑制
  • 患者中心の医療の実現。

当院の取り組み

当院では、この研究結果を参考にし、バルサルバ法(お腹に力を入れる方法)を併用した超音波検査を行っています。はっきりしない場合は、うつ伏せと仰向けの両方でCT検査を行い、お困りの症状の原因をしっかりと探ります。

早期発見と治療の重要性

鼠径ヘルニア(脱腸)は早期発見・早期治療が大切です。当院は鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り腹腔鏡手術を専門とするクリニックです。もし太ももの付け根に違和感や痛み、はれなどを感じられましたら、ぜひ一度当院にご相談ください。最新の診断方法と治療で、皆様の健康をサポートいたします。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

一覧へ戻る