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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

スポーツは鼠径ヘルニアの原因になるのか?~ボウリング~



ボウリングは、老若男女問わず楽しめる人気スポーツです。リラックスした雰囲気の中でプレイできる一方で、フォームや動作にこだわる競技性も持っています。しかし、ボウリングでの反復的な動作が、鼠径ヘルニア(脱腸)の原因になる可能性があります。

ボウリングと鼠径ヘルニア(脱腸)の関連

ボウリングは、重いボールを片手で持ち運び、投球する際に腹筋に力を入れる必要があります。この動作が繰り返されることで、腹圧が上昇し、腹壁の弱い部分に負担がかかることが鼠径ヘルニア(脱腸)の原因となることがあります。

鼠径ヘルニア(脱腸)とは?

鼠径ヘルニア(脱腸)は、腹腔内の臓器や脂肪が腹壁の弱い部分を通って突出する状態です。鼠径部(下腹部と太ももの境界付近)に発生し、特に男性に多く見られます。ボウリングなどのスポーツを長時間行うことで、腹壁に負荷がかかり、鼠径ヘルニア(脱腸)を引き起こすリスクがあります。

ボウリングが鼠径ヘルニア(脱腸)を引き起こす要因

  1. ボールの重さ
     ボウリングボールの重さを片手で扱い、体をひねりながら投球する動作は、腹圧を上昇させます。これが腹壁に負担をかけ、鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクを高める可能性があります。

  2. 反復的な投球動作
     何度も同じ動作を繰り返すことにより、腹筋や腰部に疲労が蓄積し、腹壁の脆弱化が進むことがあります。

  3. 長時間のプレイ
     長時間のボウリングプレイは、体全体にストレスを与え、特に腹圧の持続的な増加によって鼠径ヘルニア(脱腸)を引き起こすリスクを高める可能性があります。

鼠径ヘルニア(脱腸)の予防法

ボウリングにおいて鼠径ヘルニア(脱腸)を防ぐためには、無理をしない適切なフォームを保つことが大切です。重いボールを持ち上げる際には、背筋と腹筋をバランス良く使い、腰に負担がかからないように意識しましょう。また、適度な休憩を取りながらプレイすることも重要です。

鼠径ヘルニア(脱腸)の治療法

鼠径ヘルニア(脱腸)は自然治癒しないため、早めの治療が必要です。手術が唯一の治療法で、開腹手術や腹腔鏡手術があります。手術後は回復が比較的早く、スポーツ活動への復帰も期待できます。

腹腔鏡手術の利点

私たちは、以下の理由で腹腔鏡手術を推奨しています。

  • 術後の感染リスクが低い
  • 術後の痛みが少ない
  • 早期の社会復帰が可能
  • 患者満足度が高い

まとめ

ボウリングはリスクの少ないスポーツですが、長時間のプレイや無理な動作により鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクが増えることがあります。腹圧のかかる動作を繰り返すことで、腹壁に負担がかかり、鼠径ヘルニア(脱腸)の発生が懸念されるため、適切なフォームと休憩を取り入れ、早期診断と治療を心がけましょう。

鼠径部(足の付け根)の膨らみやしこりが気になる方は、鼠径ヘルニアの可能性があります。当院では平日21時まで診療を行っており、土日祝日も対応可能です。電話やLINEで24時間ご相談を受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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