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臍ヘルニア論文紹介
田村 卓也院長

臍ヘルニア(でべそ)の新しい合併症リスク指標HNR


皆さま、こんにちは

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。今回は、臍ヘルニア(でべそ)に関する最新の研究成果についてお伝えします。

最新研究「Hernia-Neck-Ratio (HNR)」とは?

スイスのローザンヌ大学病院の研究チームが発表した論文「The Hernia-Neck-Ratio (HNR), a Novel Predictive Factor for Complications of Umbilical Hernia」(World J Surg. 2016年)について、わかりやすく解説します。

この研究では、臍ヘルニア(でべそ)の合併症を予測する新しい指標として「HNR(Hernia-Neck-Ratio)」が提案されました。HNRとは、ヘルニア袋(飛び出した部分)の大きさと、ヘルニアの入り口(ヘルニア門)の大きさの比率のことです。

研究の主なポイント

以下が、この研究の主なポイントです:

  • 106人の臍ヘルニア(でべそ)手術患者さんを対象に調査
  • HNRが2.5を超えると、合併症のリスクが53倍も高くなることが判明
  • HNR 2.5をカットオフ値とした場合、合併症予測の精度が非常に高いことが示されました

日本での応用と今後の課題

この研究結果は、日本の患者さんにも直接応用できる可能性があります。特に、高齢の方や手術リスクが心配な方にとって、HNRは手術の必要性を判断する上で役立つ指標となるかもしれません。

ただし、この研究にはいくつかの限界もあります:

  • 対象患者数が比較的少ないこと
  • 後ろ向き研究であること

今後、さらなる研究でHNRの有効性が確認されることが期待されます。

放置すると危険?HNRの上昇によるリスク

臍ヘルニア(でべそ)は放置するとヘルニア袋が大きくなることがあります。それはHNRの上昇を意味し、合併症の危険性が高まる可能性があります。

当院の治療について

当院では、臍ヘルニア(でべそ)の日帰り手術を行っています。臍ヘルニア(でべそ)の手術は保険適応可能です。早期の治療が合併症予防につながる可能性があります。臍ヘルニア(でべそ)の治療をお考えの方は、お気軽に当院までご相談ください

皆さまの健康と安心のために

今後も、皆さまの健康と安心のために、最新の医療情報をお届けしてまいります。



著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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