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鼠径ヘルニア教科書の紹介~鼠径部ヘルニアの手術: 解剖と手術手技~
こんにちは大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
本日は、私が外科医としてのキャリアをスタートした頃に大変お世話になった教科書をご紹介します。
外科医一年目の思い出 - 初めての鼠径ヘルニア手術
私が外科医一年目、臨床研修を終えた直後に初めて執刀した手術が、何を隠そう、鼠径ヘルニア手術でした。当時、鼠径ヘルニア手術は腰椎麻酔下で前方アプローチによる方法が主流でした。私が最初に学んだのは「バイレイヤーパッチ法」という手技で、鼠径部に4〜5cmほどの切開を加え、腹膜前腔と筋膜上の両方の層に一体型のメッシュを挿入するというものでした。現在ではあまり見かけなくなった手技で、若い外科医の先生方の中には、この方法を知らない方も多いかもしれません。
時代とともに変わる鼠径ヘルニア手術
時代が進むにつれて腹腔鏡手術が広く普及し、新しく鼠径ヘルニアを執刀する先生方の中には、鼠径ヘルニア手術といえば腹腔鏡を使うのが普通だと考える方もいらっしゃるかもしれません。特にTAPP(Trans-Abdominal Pre-Peritoneal repair)法は、外科の専攻医にとってほぼ必須の技術といえるでしょう。今後、外科医として活躍する先生方にとって、経験し、実践できることが期待される一般的な手術となっています。
鼠径ヘルニア手術の専門性 - 味噌汁に例えて
一方で、数多くの手術を経験する中で、鼠径ヘルニアを専門とする医師は多くありません。私はこれを、料理で例えるなら「味噌汁」のようなものだと考えています。誰もが一度は作ったことがあるかもしれませんが、味噌汁の専門店はあまり見かけません。しかし、プロの手による味噌汁は非常に奥深い味わいを持っていることでしょう。
私も、誰よりも美味しい味噌汁を作りたいと思う気持ちと同じように、誰よりも優れた鼠径ヘルニア手術を行いたいという思いで、日々研鑽を重ねています。
おすすめの教科書 - 『鼠径部ヘルニアの手術』
今となっては懐かしい、穴が開くほど読んだ初版の教科書『鼠径部ヘルニアの手術』ですが、新しい版も発売されています。これから勉強される方には、新版をお勧めします。