1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 鼠径ヘルニアの経過観察と手術の選択について
論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニアの経過観察と手術の選択について

こんにちは、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。本日は、最近発表された研究を基に、軽度の症状または無症状の鼠径ヘルニアの治療についてお話ししたいと思います。

論文タイトル: Watchful waiting to surgery in men with mildly symptomatic or asymptomatic inguinal hernia: an individual participant data meta-analysis of long-term follow-up of randomized controlled trials
出典: Hernia, 2024

経過観察(Watchful Waiting)の研究結果

最近の研究によると、軽度の症状または無症状の鼠径ヘルニアを持つ男性が経過観察(WW)を選択した場合、多くのケースで最終的には手術が必要になることが分かりました。研究では、3つのランダム化比較試験(RCT)の長期追跡調査で計592人の参加者が含まれ、そのうち344人(約58%)が手術に移行しました。

経過観察から手術への移行理由

追跡調査の結果、手術に移行した主な理由は、痛みの増加やヘルニアの嵌頓(かんとん)でした。具体的には、痛みの増加が手術の主な理由となったケースが57.6%、嵌頓が理由となったケースが4.4%でした。

早期手術の利点

この研究結果から、症状が軽度または無症状であっても、将来的には症状が進行し、手術が必要になる可能性が高いことが分かります。時間の許す方は、早期に手術を行うことで、将来の緊急手術を防ぐことができるかもしれません。

当院の治療方針

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックでは、患者様の生活スタイルに合わせた治療を提供しています。当院では、日帰り腹腔鏡手術を行っており、短時間で安全に治療を受けていただくことが可能です。これにより、患者様の生活に大きな支障をきたすことなく、ヘルニアを根本的に治療することができます。

まとめ

経過観察は一つの選択肢ですが、最終的には手術が必要になる可能性が高いことを踏まえ、時間の許す方は早期手術を検討することをお勧めします。当院では、患者様一人ひとりに最適な治療を提供し、将来の健康を守るお手伝いをしています。ご相談やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

鼠径部(足の付け根)のしこりは様々な病気が考えられ、当院では鼠径ヘルニア以外の疾患についても責任をもって鑑別診断や治療を行います。平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。電話やLINEで24時間相談を受け付けております。いつでもお気軽にご相談ください。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

一覧へ戻る