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鼠径ヘルニア
田村 卓也副院長

鼠径ヘルニア手術 今がやり時

おはようございます。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。

私達の専門とする鼠径ヘルニアは手術でしか治癒できない疾患です。では手術を受けるタイミングはどうなのかという疑問にお答えいたします。

すぐにでも手術をした方が良い状態

鼠径ヘルニア嵌頓(しこりが押し戻せない)の状態になっている場合は、緊急あるいは準緊急的に手術が必要です。急いで医療機関を受診しましょう。

この場合は随伴して嘔吐などの症状があることがあります。腸閉塞になっている可能性があるため、この状態での日帰り手術は困難です。押し戻すことが出来ればひとまず緊急での手術は回避できます。症状が出れば早めに受診いただくことで手術を回避できる場合があります。

 

早めに手術した方が良い状態

続いて痛み、違和感、排尿障害、射精障害など何らかの症状に悩まれている場合、緊急とは言いませんが早く手術をした方が良いと言えます。中には長年鼠径ヘルニアを患っていて、精巣(睾丸)付近まで膨らみが広がっているため歩くのに支障が出ているという方もおられます。お困りの症状を手術により改善し、日々の暮らしの質を上げることが出来るのであれば、早いに越したことはないでしょう。

 

全く症状がない場合の手術時期

では症状が全くない場合はどうかというと、これは個人的意見ですが「治したい」と思ったタイミングが手術のやり時かと思います。

ただ足の付け根にしこりがあるだけで痛みもない。

脱腸(鼠径ヘルニア)と言われたが単に膨らんでいるだけ

という場合、何年も治療せずに経過を見ているという方は多いのではないでしょうか?

鼠径ヘルニアと診断されていても、多くの方がそのまま放置されていると思います。

臨床をしていると「鼠径ヘルニアと診断されたんだけれど、それぐらいなら手術しなくて良いんじゃないかと言われた」という声もたびたび耳にします。

もちろんそれも正しい答えかもしれません。

 

 

ただ一方で、ヘルニアは腸閉塞の原因の約25%を占めるともいわれております。

腸管が陥頓することで、腸閉塞となります。鼠径ヘルニアを放置することにも一定のリスクがあることは、すぐに手術しなくて良いことと同様に認知されているべきであると思います。

仮に腸閉塞状態になると、拡張した腸管でお腹の中にスペースが作れず腹腔鏡による手術は困難となり危険です。

通常の鼠径部を切開する手術法よりも大きな創でなければ手術できないこともあります。

もちろん入院は必要になると思います。

こうなる前に手術ができれば良いタイミングでの手術だったといえるでしょう。

しかし厄介なことに、嵌頓はいつ起きるかわかりません。

小さなヘルニアだから嵌頓しない、というわけでもありません。

膨らみはあまりないのに嵌頓し、激痛がある状態で受診されるということもよくあります。

 

結局いつが良いのか?

それでも今は痛くないし困ってもいないので手術を決断しかねる、という方もおられると思います。

そんな方によくお声がけさせていただく言葉が、私の個人的な意見である「鼠径ヘルニアは治したいと思ったときが手術のタイミング」です。

まさにこの記事を読んでいただき関心が高まっている今こそがやり時なのかもしれませんね。

公開しないようにご自身で決めるということが何より大切だと思います。

 

私達、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックはそんな「治したい」という思いにお答えします。

ただ治すのではなく、できるだけ負担を軽減して治すことにこだわっています。

日帰り腹腔鏡手術はこの課題に対する一つの答えであると考えます。

緊急手術は誰にとっても避けるべきことだと思います。

治療のハードルを下げることで、結果として良いタイミングで鼠径ヘルニアを治すことができれば、

私たちとしても非常に喜ばしいことです。いつでもご相談ください。

著者

副院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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