1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 鼠径ヘルニアの手術は日帰り可能です!
鼠径ヘルニア
所 為然院長

鼠径ヘルニアの手術は日帰り可能です!

こんにちは大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。

高齢男性に多い鼠径ヘルニア(脱腸)という病気、命にかかわる事もあるため放置は危険です。

治療は手術しかありませんが、手術のために入院する必要はないんです。

 

鼠径ヘルニアはどんな病気?

脱腸とも呼ばれる鼠径ヘルニアという病気、股関節の左右の足の付け根の部分が膨らむことが典型的な症状です。

足の付け根の筋肉の隙間が拡大し、そこから内臓が皮膚の下まで脱出することが病気の原因です。

腸管が出ているとき、患者様は「鼠径部の膨らみ」として感じます。

立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。

放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。

嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。

この状態になってしまうと、腸閉塞と腸管虚血を起こし、腸が壊死してしまって腹膜炎に至り、時には命に危険がおよぶこともあります。

そけいヘルニアのイラスト

 

鼠径ヘルニアの手術

鼠径ヘルニアの治療は手術しかありません。

かつては腸管が脱出する筋肉の穴を狭くする手術が行われていましたが、3割の患者さんで再発していました。

1990年代からメッシュという人工の網を用いて筋肉の穴を防ぐようになってから、再発率は1%台まで減少しました。

メッシュを入れる方法は、鼠径部切開法と腹腔鏡法の2種類あります。

 

鼠径部切開法は外科の入門手術であり、ほぼ全ての外科医が最初に執刀する手術といって過言ではありません。

総合病院では年長の外科医が指導し、若い外科医が執刀することが殆どです。

 

鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術は2000年以降に普及し、現在では約半数の鼠径ヘルニア手術は腹腔鏡で行われています。

腹腔鏡手術の利点は筋肉の穴をお腹の中から見ながらメッシュを直接敷くことだけでなく、創が小さく術後回復が早いことも非常に重要です。

 

しかし、術後回復が早くなったのに、いまだに入院で行われることが多いです。

 

鼠径ヘルニア日帰り手術のために必要なこと

実は腹腔鏡手術を行うだけでは日帰りの治療が出来るわけではありません。

入院していれば、痛みが残ってもいつでも鎮痛薬が使え、吐き気で食事が摂取できなくとも点滴できますが、

日帰り手術に必要な条件は

・最低限の痛み

・吐き気がなく帰宅後に食事摂取が可能

・術後にしっかり覚醒し自身で歩ける

などです。

 

これらを達成するために当院では実は特別なことはしておらず、行っている手術、麻酔、看護は基本的には入院と殆ど同じです。

 

ではなぜ患者さまが自身で歩いて帰れ、夕飯から普通に摂取できるようになるのか。

 

それは手術当日に自身で帰宅する患者さまについてしっかりと想像することです。

明確なビジョンがあると、医療行為は同じでも精度があがります。

たとえば、入院手術であればやや大きめな創が1つと小さい創が2つ(12mm×1、5mm×2)ですが、日帰り手術クリニックであれば必ず5mm×3となります。

鎮痛にしても、疼痛が発生し脳に伝わる経路の別々の段階に作用する鎮痛薬を用います。

これにより使用する麻薬性鎮痛薬の量を減らすことができ、結果的に術後に吐き気が生じるリスクも減ります。

 

診療行程をジグソーパズルに例えるなら、パズルピース(施行する医療行為)は同じでも、少し組み方を変えることで完成図(日帰り治療)が異なってきます。

 

鼠径ヘルニアかな?と思う方はぜひ当院にご相談ください

当院は鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門とするクリニックです。

 

鼠径部(足の付け根)のしこりは様々な病気が考えられ、当院では鼠径ヘルニア以外の疾患についても責任をもって鑑別診断や治療を行います。

 

平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。

電話やLINEで24時間相談を受け付けております。

いつでもお気軽にご相談ください。

著者

院長
所 為然Yukinari Tokoro

略歴

2010年3月 広島大学医学部医学科卒業
2010年4月 成田赤十字病院
2012年4月 千葉大学医学部付属病院肝胆膵外科
2014年4月 千葉県がんセンター消化器外科
2017年4月 大阪赤十字病院消化器外科
2022年12月 MIDSクリニック開院

資格

外科学会専門医/消化器外科学会専門医/消化器がん外科治療認定医/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本臨床外科学会/日本医癌学会/日本内視鏡外科学会/日本食道学会/日本ヘルニア学会/日本臨床栄養代謝学会

一覧へ戻る