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なぜ腸管に壊死に至る? -鼠径ヘルニアの嵌頓とは-
こんにちは
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
この記事では鼠径ヘルニア(脱腸)が緊急手術となってしまう理由をご紹介します。
鼠径ヘルニア(脱腸)はどんな病気?
股関節の左右の足の付け根の分は医学用語で鼠径部と呼ばれます。
この部分に膨らみや痛みを感じる病気で、最も注意すべきなのが鼠径ヘルニアです。
鼠径ヘルニアは鼠径部にある筋肉の隙間から内臓(腸や膀胱)が皮膚の下まで脱出する病気です。
典型的な症状は、立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。
鼠径ヘルニアは放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。
嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。
この状態になって8時間以上経過すると、腸が壊死してして腹膜炎に至ります。
(右側)小腸がヘルニア門から体壁外へ脱出している状態
なぜ腸管が壊死するのか
身体の全ての細胞は血流によって運ばれた酸素と栄養によって生きており、血流が途絶えると壊死してしまいます。
腸管への血流が途絶える原因は大きく分けて以下の3つになります。
1.腸管捻転や絞扼により血流が機械的に途絶える
2.腸管を栄養する血管が血栓で閉塞する
3.全身状態の悪化により腸管への血流が途絶える
鼠径ヘルニアの嵌頓は上記に1番の状態になり、血液を流すホース=血管が締め付けられて、血流が途絶えます。
鼠径ヘルニアが小さくても要注意!
鼠径ヘルニアでは、腸管より先に腹膜(腹壁の内側の皮膚)が袋状になって皮下に出ています。
ですから、鼠径部に膨らみを感じた時は、実は鼠径ヘルニアが発症して何年か経っているのです。
そして注意すべきは、嵌頓を起こすリスクは鼠径部の膨らみの大きさと関係がなく、例え膨らみが小さくとも腸管壊死になりうることです。
緊急手術で壊死した腸管を切除して無事吻合ができることが殆どですが、吻合ができずに人工肛門となる可能性もあります。
鼠径ヘルニアかな?と思ったら
当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。
消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。
鼠径ヘルニアは鑑別疾患も多いので「鼠径ヘルニアかどうか分からないけど鼠径部が膨らんでいる」という方も気軽にご相談ください。
平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。
電話やLINEで24時間相談を受け付けております。