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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニア手術後の再発を防ぐ - 専門医が教える予防と対策のすべて

はじめに

鼠径ヘルニアの手術を受けられた方の中で最も気がかりなのが「再発」ではないでしょうか。

当クリニックには、「以前手術を受けたのに、また同じ症状が出てきた」という相談が数多く寄せられています。

この記事では、私たち専門医の経験と最新の医学的知見に基づき、再発のメカニズムと効果的な予防法についてご説明します。

 

鼠径ヘルニアの基礎知識

鼠径ヘルニアは、太ももの付け根(鼠径部)の筋膜が弱くなることで発症します。

この部分に腸が飛び出してくる状態を指し、一般的には「脱腸」として知られています。

日本人男性の場合、生涯で3人に1人が経験するとされる一般的な疾患です。

特に40歳以上の男性に多く見られます。加齢とともに筋膜が弱くなることが主な原因とされています。

→鼠径ヘルニアについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

 

なぜ再発するのか?そのメカニズム

再発の原因は、手術方法に関連する要因、患者さん自身の体質や生活習慣、そして術後の管理・ケアの問題が複雑に絡み合っています。

従来の組織修復法と比べ、メッシュを使用する現代的な手術方法では、再発率が大幅に低下しています。

手術の技術的な面では、メッシュの位置決めや固定方法が重要な要素となります。

これは私個人の意見ですが、最も大事なのは位置決めだと思っています。

メッシュの固定方法については議論のあるところです。

当院では縫合糸による固定を行っていますが、あくまで補助的な意味合いだととられています。

最も大切なのはメッシュが適正な位置に適正に展開されていることだと考えています。

 

また、手術を行う医師の経験値も再発率に大きく影響します。

そのため、症例数の多い専門医による手術を受けることが推奨されます。

 

再発リスクの高い患者さんの特徴

再発リスクが高まる要因として、体重過多の状態や日常的な重労働が挙げられます。

また、慢性的な咳や便秘による腹圧の上昇も、再発の原因となることがあります。

これらは場合によっては回避することが難しいかもしれません。

喫煙習慣のある方も、組織の治癒力が低下することから、再発のリスクが高まる傾向にあります。

禁煙は今からできる再発予防策と言えるでしょう。

私たちの立場から言えることは禁煙は皆様の健康寿命を延ばすだけでなく、鼠径ヘルニアの術後に関しても良好な結果を得られる可能性があるということです。

 

予防のための具体的な対策

再発を防ぐためには、以下の生活習慣の改善が重要です:

適正体重の維持

禁煙の実施

便秘の予防

適度な運動習慣の確立

急激な腹圧上昇の回避

 

 

手術方法による再発率の違い

現代の手術では、主に従来の切開法と腹腔鏡手術という2つの方法があります。

従来の切開法は、鼠径部を直接切開して修復する方法で、手術時間が短く、局所麻酔で実施可能という利点があります。

一方、腹腔鏡手術は、内視鏡を使用する最新の手術方法です。

より広い視野で確実な修復が可能で、繊細な作業が可能になります。

また、術後の痛みが少なく、回復も早いという特徴があります。

実際腹腔鏡の普及により解剖の理解は飛躍的にすすみました。

 

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。

 

まだエビデンスは不十分ですが、よく見える腹腔鏡は再発率の低下にも一定の貢献をするものと考えています。

 

専門医からのアドバイス

鼠径ヘルニアの再発予防には、適切な手術方法の選択と術後の生活管理が重要です。

特に手術直後の2週間は、メッシュが体内で安定するための重要な期間となります。

この時期は極端な運動を避け、徐々に日常生活に戻していくことが推奨されます。

また、少しでも気になる症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。早期発見・早期治療が、再発リスクの低減につながります。定

期的な経過観察も、再発の予防に役立ちます。

 

おわりに

当クリニックは、大阪駅から徒歩圏内という便利な立地で、平日はもちろん、土日も診療を行っております。

経験豊富な専門医による安全で確実な手術と、きめ細やかなアフターケアを提供しています。

術後の不安や疑問点についても、丁寧にご説明させていただきますので、鼠径ヘルニアでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

情報提供元

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階

電話番号:06-6341-5570

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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