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鼠径ヘルニア手術後の運動制限:安全な回復期間の過ごし方
はじめに
鼠径ヘルニアの手術を受けた後、多くの患者さんが「いつから運動を再開できるのか」という不安を抱えています。
この記事では、手術後の運動再開のタイミングや注意点について、専門医の立場から詳しく解説していきます。
鼠径ヘルニアとは:基礎知識から
鼠径ヘルニアは、太ももの付け根(鼠径部)に発生する比較的一般的な疾患です。
具体的には、腹壁の筋肉や筋膜に穴や弱い部分ができることで発症します。
この状態になると、腹腔内の臓器(主に腸管)が穴から飛び出してしまいます。
その結果、鼠径部に膨らみが生じるのが特徴的な症状となります。
特に40歳以上の男性や、重い物を頻繁に持ち上げる仕事をしている方、慢性的な咳がある方に多く見られます。
→鼠径ヘルニア(脱腸)になりやすい方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています
手術方法と回復のポイント
当クリニックでは、主に内視鏡(腹腔鏡)手術を採用しています。
この手術方法では、傷が小さいため、術後の痛みが少なくなります。
また、早期の社会復帰が可能となり、手術直後から軽い日常活動を再開できます。
手術では、特殊な医療用メッシュを使用して穴を補強します。
このメッシュが体内で完全に固定されるまでには、約2週間から1ヶ月程度かかります。
術後の運動制限:段階的な運動再開のガイド
手術直後~1日目
この時期は、基本的には安静にしていただく必要があります。
ただし当院から帰る際も歩くことはできますし、電車に乗って移動することも可能です。
麻酔の影響がありますので、ご自身で車を運転したり自転車を運転したりすることは禁止しています。
2日目~2週間後
徐々に活動範囲を広げていくことができます。
強度の高い運動は制限があります。
ただし、歩行や軽いジョギング、デスクワーク、家事、平地での自転車、車の運転などは可能です。
お仕事で体を使われる場合もあると思いますが、これに関しても体調と相談されて再開可能です。
2週間~1ヶ月後
この期間は、より活発な運動も可能になってきます。
ある程度強度の高い運動も行って頂いて良いと思います。
ただし無理はしないでください。
また、過度な腹圧がかかる運動は控える必要があります。
全力で腹筋する全力でスクワットをするなどは様子を見ながら慎重にしてください。
1ヶ月以降
ほとんどの運動が可能になりますが、個人差があります。
先述したとおり何か気になることがあればいつでもご相談ください。
運動再開時の注意点
運動を再開する際は、以下の症状に特に注意が必要です:
- 手術部位の痛みや違和感
- 膨らみの再発
- 違和感や痛みの持続
- 手術部位の熱感や発赤
これらの症状が出た場合は、すぐに運動を中止し、医師に相談することをお勧めします。
もちろん神経質になりすぎる必要はありません。
当院はいつでもご連絡頂ける体制を整えておりますので、お気軽にご相談ください。
日常生活での活動について
手術後の回復期間中も、適度な活動は必要です。
デスクワークであれば手術翌日から、軽い立ち仕事は2~3日後から再開可能です。
ただし、重い荷物の持ち上げは控えめにする必要があります。
また、長時間の立ち仕事や激しい運動は、徐々に様子を見ながら再開していくことが重要です。
運動制限の期間は、手術の方法や患者さんの状態によって異なります。
そのため、具体的な活動の再開時期については、担当医に必ず確認するようにしましょう。
最後に
鼠径ヘルニアの手術は、適切な術後ケアにより、確実な回復が期待できます。
運動制限を守ることで、再発リスクを最小限に抑えることができます。
不安な点がございましたら、当クリニックまでお気軽にご相談ください。
当クリニックは、JR大阪駅から徒歩5分の場所にあり、平日はもちろん、土曜日・日曜日も診療を行っております。
ご自身の回復状況に不安がある場合は、早めの受診をお勧めします。経験豊富な専門医が、患者さん一人一人の状態に合わせて、適切なアドバイスをさせていただきます。
情報提供元
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック
所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階
電話番号:06-6341-5570