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論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長
【最新研究】BMIが高いと鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクが下がる? ~遺伝子研究からわかった意外な関係~
こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。 本日は、2024年に発表された興味深い研究について、わかりやすくご紹介したいと思います。
【出典】 Scientific Reports 誌に掲載された研究: "Evaluating the relationship between standing height, body mass index, body fat percentage with risk of inguinal hernia: a Mendelian randomization study" (2024年発表)
■研究のポイント
従来、肥満は鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクを高めると考えられてきましたが、最新の遺伝子研究でそれを覆す結果が明らかになりました。
■主な研究結果
- BMI(体格指数)が高い人は、鼠径ヘルニア(脱腸)になりにくい
- 体脂肪率が高い人も、同様にリスクが低い
- 身長については、はっきりとした関連は見られない
■なぜこの研究が重要なのか?
- 遺伝子情報を使用した新しい研究手法(メンデルランダム化法)により、より信頼性の高い結果が得られました
- これまでの「肥満は危険因子」という考え方を見直す必要性を示しています
■研究の限界
- 欧州の方々のデータに基づく研究のため、日本人への適用には更なる研究が必要です
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の種類(直接型・間接型)による違いは考慮されていません
■今後の展望
- 日本人を対象とした同様の研究の実施
- より詳細な予防戦略の確立
- 個々の患者さんに合わせた治療方針の最適化
■当院からのメッセージ
この研究結果は興味深いものですが、鼠径ヘルニア(脱腸)の症状がある方は、体型に関わらず早めの受診をお勧めします。放置すると症状が悪化する可能性があり、最悪の場合、緊急手術が必要になることもあります。
当院では、痛みの少ない腹腔鏡手術による日帰り手術を提供しています。「おなかの膨らみが気になる」「重いものを持つと痛む」といった症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については、必ず医師にご相談ください。