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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

スポーツは鼠径ヘルニアの原因になるのか?~卓球~


卓球は、そのスピード感、反射神経、そして精密さが求められるスポーツです。軽やかでリズミカルなラリーが魅力ですが、激しい動きが少ないため、一見して体にかかる負荷は軽いように思えます。しかし、卓球の特定の動作が原因で鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクが高まる可能性もあります。

卓球と鼠径ヘルニア(脱腸)の関連性

卓球は、主に上半身の素早い動きや、腰を回す動作が特徴的です。以下のような動作が鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクを高める要因となります。

  1. 素早い方向転換
     卓球では短い距離を瞬時に移動することが多く、急な方向転換やステップが必要です。これにより、腹圧が高まり腹壁に負担がかかります。

  2. 体をひねる動作
     ラリー中にボールを打つ際、腰をひねりながら腹筋に力を入れるため、腹壁に強い圧力がかかることがあります。

  3. 長時間の練習と試合
     卓球の試合や練習は集中力と持久力が求められますが、長時間にわたるプレイは腹圧を持続的に高め、鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクを増やす可能性があります。

鼠径ヘルニア(脱腸)の予防法

残念ながら、鼠径ヘルニア(脱腸)を完全に予防する方法はありません。ただし、腹筋を鍛えることや、適切なウォームアップとクールダウンを行うことでリスクを軽減することはできます。腰を使う動作に注意を払い、無理をせずにプレイすることも大切です。

鼠径ヘルニア(脱腸)の治療法

鼠径ヘルニア(脱腸)は自然に治癒することはなく、手術が唯一の治療法です。早期の診断と治療が大切です。手術には主に以下の方法があります:

  1. 開腹手術
     腹壁の弱い部分を補強するために、メッシュを使用して修復する方法です。

  2. 腹腔鏡手術
     小さな切開を行い、カメラと器具を使って修復する手術で、回復が早く術後の痛みが少ないのが特徴です。

腹腔鏡手術の利点

私たちは、以下の理由で腹腔鏡手術を推奨しています:

  • 術後の感染リスクが低い
  • 術後の疼痛が少ない
  • 早期社会復帰が可能
  • 患者満足度が高い

まとめ

卓球はリスクの少ないスポーツに見えますが、激しい動作や長時間のプレイによって鼠径ヘルニア(脱腸)のリスクが生じることがあります。適切なフォームを心がけ、異変を感じた場合は早めに医師の診断を受け、必要に応じて手術を検討しましょう。

鼠径部(足の付け根)の膨らみやしこりが気になる方は、鼠径ヘルニアの可能性があります。当院では平日21時まで診療を行っており、土日祝日も対応可能です。電話やLINEで24時間ご相談を受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

 

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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