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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

名医が解説!鼠径ヘルニアの原因から見る注意が必要なお仕事~フィットネスインストラクター~



はじめに

近年、健康志向やトレーニングブームが高まり、フィットネスインストラクターの需要が大幅に増えています。ジムやフィットネススタジオで活躍するインストラクターは、トレーニング指導や健康促進の重要な役割を担っています。しかし、立ち仕事や激しい運動が日常的なフィットネスインストラクターには、鼠径ヘルニアのリスクが存在します。今回は、フィットネスインストラクターの仕事と鼠径ヘルニアの関係について解説します。

鼠径ヘルニアの原因

鼠径ヘルニアは、腹壁が弱まり、腸や脂肪が腹部から突出する状態です。主な原因は以下の通りです:

  1. 遺伝的要因: 家族歴があるとリスクが高まります。
  2. 年齢: 筋肉が加齢で弱くなることでリスクが増加します。
  3. 腹圧の上昇: 重い物を持ち上げる、咳や便秘で腹圧が高くなると、鼠径ヘルニアが発生しやすくなります。

フィットネスインストラクターの仕事と鼠径ヘルニアのリスク

フィットネスインストラクターの仕事は、体を使うだけでなく、受講者に正しいフォームや動作を指導する重要な役割を担っていますが、以下の点で鼠径ヘルニアのリスクが高まることがあります:

  1. 長時間の立ち仕事: クラスの指導中やパーソナルトレーニングでの長時間の立ち仕事で、腹部に負担がかかる。
  2. 激しい運動: トレーニングデモや自身のトレーニングで、重いウェイトを持ち上げることで腹圧が上昇します。
  3. 不規則な体勢: 指導中に体を曲げたり無理な姿勢を取ることがあるため、腹部に負担がかかることがあります。

注意すべきこと

フィットネスインストラクターとして働く際には、以下の点に注意することで鼠径ヘルニアのリスクを軽減できる可能性があります:

  1. 正しいフォームの維持: 自分がトレーニングする際や指導する際に、正しいフォームを維持し、腹圧を過度に上げないようにすることが重要です。
  2. 休息とストレッチ: クラス間に適度な休息を取り、ストレッチを行い、筋肉や腹部にかかる負担を軽減する。
  3. 体重管理: 健康的な体重を維持することも、腹圧を抑える一つの方法です。

日帰り手術のすすめ

鼠径ヘルニアが発生した場合、早期の治療が重要です。忙しいフィットネスインストラクターの皆さんには、日帰り手術が最適です。以下がそのメリットです:

  • 短時間で完了: 手術は数時間で終わり、当日中に帰宅可能。
  • 早期復帰: 術後の回復が早く、翌日から軽い運動や指導が可能です。
  • 負担軽減: 入院が不要なため、仕事への影響が少なく、早期に指導に戻れます。

まとめ

トレーニングブームで需要が高まるフィットネスインストラクターの仕事は、体力を使うため、鼠径ヘルニアのリスクが高まる場合があります。しかし、正しいフォームの維持や適度な休息を心掛けることで、リスクを軽減できる可能性があります。万が一ヘルニアが発生した場合は、早期の治療と日帰り手術を検討し、健康な状態で指導を続けられるようにしましょう。

鼠径部(足の付け根)の膨らみやしこりが気になる方は、鼠径ヘルニアの可能性があります。当院では平日21時まで診療を行っており、土日祝日も対応可能です。電話やLINEで24時間ご相談を受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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