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- 論文紹介:内視鏡外科技術認定制度による資格取得者向けガイドライン - 鼠径ヘルニア治療の革新③
論文紹介:内視鏡外科技術認定制度による資格取得者向けガイドライン - 鼠径ヘルニア治療の革新③
こんにちは。今回は、腹壁瘢痕ヘルニア(お腹の手術跡にできるヘルニア)の治療に関する最新の研究結果をご紹介します。当院ではこの手術は行っておりませんが、多くの方にとって有益な情報だと考え、お伝えいたします。
腹壁瘢痕ヘルニアの新しい治療法:腹腔鏡手術
最近の医学研究で、腹壁瘢痕ヘルニアの治療に腹腔鏡手術(おなかに小さな穴を開けて行う手術)が注目されています。従来の開腹手術と比べて、いくつかの興味深い点が分かってきました。
この情報は、2024年に「Asian Journal of Endoscopic Surgery」に掲載された論文『Practice guidelines on endoscopic surgery for qualified surgeons by the endoscopic surgical skill qualification system: Hernia』からの出典です。
1. 手術後の傷の感染が少ない
腹腔鏡手術では、手術後の傷が感染する確率が従来の手術よりも明らかに低いことが分かりました。
2. 他の手術結果は従来と同程度
手術時間、出血量、再発率などは、従来の開腹手術とほぼ同じという結果でした。
3. 入院期間が短い可能性
最近の研究では、腹腔鏡手術を受けた患者さんの方が、入院期間が短くなる傾向があるようです。
4. 注意点:腸を傷つけるリスク
腹腔鏡手術では、腸を傷つけてしまう可能性が従来の手術よりも高いため、特に注意が必要です。
5. 費用について
手術自体の費用は腹腔鏡手術の方が高いですが、入院期間や合併症の違いで総費用が変わる可能性があります。現時点では、どちらが経済的に優れているかは明確ではありません。
まとめ
腹壁瘢痕ヘルニアの治療において、腹腔鏡手術は感染リスクを減らせる新しい選択肢として注目されています。しかし、腸を傷つけるリスクなど、注意すべき点もあります。どの治療法を選ぶかは、患者さん一人ひとりの状態や、担当医師との相談によって決めることが大切です。
この情報が、腹壁瘢痕ヘルニアでお悩みの方々のお役に立てれば幸いです。なお、当院では現在、腹壁瘢痕ヘルニアの手術は行っておりません。この治療に関するご相談は、一般外科のある医療機関にお問い合わせください。
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックは、成人の方の鼠径ヘルニア治療に特化しております。鼠径ヘルニアについてご心配な点がございましたら、お気軽にご相談ください。