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虫垂炎
田村 卓也院長

自然に治った右下腹部痛は虫垂炎かも?

 

皆さん、右下腹部に痛みを感じたことはありますか?その痛みが自然に治った場合、実は虫垂炎であった可能性があります。

虫垂炎は一般的に急性の腹痛を引き起こし、多くの場合、手術が必要とされる病気です。

しかし、自然に治ることもあるため、一度痛みが治まったとしても油断は禁物です。

 

虫垂炎の治療に関する最新の研究

最近の研究では、抗生物質を使わずに虫垂炎を治療する方法が検討されました。この研究は、CTで確認された合併症のない急性虫垂炎の成人を対象に、プラセボと抗生物質(静脈内エルタペネムおよび経口レボフロキサシンとメトロニダゾール)を比較したものです。

研究結果の概要

この研究は、2017年5月から2020年9月までの間に5つの病院で72名の患者を対象に行われました。

以下は主な結果です:

  • 10日間の治療成功率:プラセボ群で87%(95%信頼区間:75%〜99%)、抗生物質群で97%(92%〜100%)

ここで注目すべきはプラセボ(つまり抗菌薬投与なし)でも87%の方が回復するということです。

自然に治った右下腹部痛の中に軽症の虫垂炎が潜んでいるということに他ならないと思います。

 

虫垂炎の再発リスク

自然に治った虫垂炎は、再発する可能性があります。再発した場合、痛みがより強くなることがあり、緊急手術が必要になることもあります。これは再び虫垂炎で炎症が起こることが原因です。

 

待機的手術の重要性

一度虫垂炎を経験した場合、再発を防ぐために待機的手術を検討することが推奨されます。待機的手術とは、急を要さない状態で計画的に行う手術のことです。この手術を行うことで、将来的な再発や緊急手術のリスクを大幅に減らすことができます。

日帰り手術の可能性

幸いなことに、虫垂炎の待機的手術は日帰りで行うことが可能です。現代の医療技術の進歩により、短時間で安全に手術が行われ、手術当日からご自宅で過ごせます。このため、時間の負担を最小限に抑えながら、将来のリスクを回避することができます。

結論

右下腹部に痛みを感じたことがある方は、その痛みが自然に治まったとしても一度医師の診察を受けることをお勧めします。特に、虫垂炎の可能性がある場合は、再発リスクを考慮し、待機的手術を検討することが重要です。日帰り手術が可能なため、安心して治療を受けることができます。

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックでは虫垂炎の日帰り腹腔鏡手術を実施しております。

大事な予定の前に待機的虫垂切除をお考えの方、ぜひ協力さてください。

健康を守るためにも、定期的な健康チェックと早期対応を心掛けましょう。

 

相談はお電話、LINEから24時間365日可能です。

 

情報提供元

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階

電話番号:06-6341-5570

 

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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