医師紹介・院長ブログ
- ホーム
- 医師紹介・院長ブログ
- 鼠経ヘルニア -いつ手術すべき?-
鼠経ヘルニア -いつ手術すべき?-
こんにちは
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
当院を受診いただく患者様から
「症状が出たら外科に紹介します、とかかりつけで言われた」
「鼠径ヘルニアバンドで様子を見ましょうと言われた」
などのお話を聞きます。
このような治療方針は外科医の観点からすれば全て間違いです。
この記事では鼠径ヘルニア(脱腸)の手術のタイミングついてお話します。
鼠径ヘルニア(脱腸)はどんな病気?
股関節の左右の足の付け根の分は医学用語で鼠径部と呼ばれます。
鼠径部では筋肉に隙間が空いている箇所があり、その隙間から内臓(腸や膀胱)が皮膚の下まで脱出する病気を鼠経ヘルニアと呼びます。
腸管が出ているとき、患者様は「鼠径部の膨らみ」として感じます。
典型的な症状は、立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。
鼠径ヘルニアは放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。
嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。
この状態になってしまうと、腸閉塞と腸管虚血を起こし、腸が壊死してしまって腹膜炎に至ります。
(右側)小腸がヘルニア門から体壁外へ脱出している状態
鼠径ヘルニアは手術でしか治療できません
鼠径ヘルニアは自然に治ったり、自力で治すことはできません。治療には手術が必要です。
成人の鼠径ヘルニア手術は基本的にはメッシュという人工の網を筋肉の隙間に当てる必要があります。
従来は鼠径部を7㎝ほど切開して行う方法が一般的でしたが、現在は腹腔鏡手術で行うことも可能になりました。
鼠経ヘルニアはいつ手術すべき?
痛みがあまりない、膨らみもそんなに大きくない、あまり症状がないから経過観察を選択する方も多いとおもいます。
患者様だけでなく、鼠径ヘルニアの診療にあまり携わらない医師でもそう思う方が多いんじゃないでしょうか。
しかし、鼠径ヘルニアは症状が軽いからと言って放置してよいわけではありません。
理由は主に二つあります。
1.小さな膨らみでも嵌頓を起こしうる
腸管が筋肉の穴に嵌り込んで頓挫する(=嵌頓)すると血流障害から腸管壊死を起こしてしまいます。
嵌頓を起こすリスクは鼠径部の膨らみの大きさと関係がなく、例え膨らみが小さくとも嵌頓を起こして緊急手術となりうるのです。
緊急手術で壊死した腸管を切除して無事吻合ができることが殆どですが、吻合ができずに人工肛門となる可能性もあります。
2.膨らみの大きさは進行度と無関係
腸管は出たり入ったりして、皮下に出たときに鼠径部の膨らみとして感じます。
しかし腸管を包む袋=腹膜で構成されるヘルニア嚢は元に戻りません。
ヘルニア嚢は長い時間をかけて徐々に皮膚の下まで袋状に伸びたものなので、実は自覚症状が出現するよりも何年も前から発病しているんです。
鼠径ヘルニアかな?と思ったら
当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。
消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。
鼠径ヘルニアは鑑別疾患も多いので「鼠径ヘルニアかどうか分からないけど鼠径部が膨らんでいる」という方も気軽にご相談ください。
平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。
電話やLINEで24時間相談を受け付けております。