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鼠径ヘルニア手術の痛みはどの程度?
皆様こんにちは、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
この記事では「鼠径ヘルニア手術の痛みの程度」についてご紹介します。
鼠径ヘルニア(脱腸)とは?
体は筋肉という壁の覆われていますが、一枚板の筋肉ではなく、何枚かの筋肉が立体的に壁を構築しています。
鼠径部では筋肉に隙間が空いている箇所があります。
その隙間から腹膜が袋状に皮膚の下まで脱出するのが鼠径ヘルニアであり、袋の中に腸管が出ると患者様は「鼠径部の膨らみ」として感じます。
典型的な症状は、立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。
鼠径ヘルニアは放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。
嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。
この状態になってしまうと、腸閉塞と腸管虚血を起こし、腸が壊死してしまって腹膜炎に至ります。
(右側)小腸がヘルニア門から体壁外へ脱出している状態
鼠径ヘルニアの治療は手術が必要
鼠径ヘルニアは自然に治ったり、自力で治すことはできません。治療には手術が必要です。
腹膜がヘルニア門から袋状に伸びたヘルニア嚢を処理するだけでは再発するリスクが高く、成人の鼠径ヘルニア手術は基本的にはメッシュという人工の網を筋肉の隙間に当てる必要があります。
従来は鼠径部を7㎝ほど切開して行う方法が一般的でしたが、現在は腹腔鏡手術で行うことも可能になりました。
腹腔鏡で行う手術が鼠径部切開法より優れる点は以下の4つがあげられます
1.両側を観察可能
術前のエコー検査で反対側にも鼠径ヘルニアが存在するかどうかを確認しますが、腹腔鏡手術は腹腔内から反対側の鼠径ヘルニアの有無を直接観察する事が可能です。
反対側にも鼠径ヘルニアがある場合、同時に手術する事が可能です。(両側手術と片側手術の手術費用は同じです。)
2.すべてのヘルニア門を覆える
鼠径部のヘルニアは外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、と3つあります。
鼠径部切開法ではそのうちの2つ、外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアのヘルニア門をメッシュで覆う事が可能です。
それに対して、腹腔鏡手術は3つのヘルニア門すべてをメッシュで覆う事が可能です。
3.感染を起こしにくい
術後感染は創部の皮下脂肪に生じます。
腹腔鏡手術は創部が小さいため、感染のリスクが低いです。
また、創部感染を生じたとしてもメッシュまで距離があるため、最も厄介な合併症であるメッシュ感染に至る事はありません。
4.術後の回復が早い
腸蠕動回復までの時間、初回歩行までの時間、経口摂取再開までの時間が早いと言われています。
腹腔鏡手術でもやっぱり痛いよね?
5mmの創が3ヶ所だけと言えど、やはり痛みはあります。
その痛みを最小限に止め、患者様本人の足で歩いて帰れるようにするのも日帰り手術の必須条件と言えます。
そのために重要なことは、痛みが発生して脳に伝わるまでの経路に対し、様々な方向から痛み信号をブロックすることです。
当院では単一の鎮痛薬を大量に使うのではなく、作用機序の異なる鎮痛薬を使い分けております。
1.術中完全無痛
当院の腹腔鏡手術は全例全身麻酔下に行います。完全に眠ってしまうため、術中痛みを感じることのない「術中完全無痛」の手術になります。
ただし術後の痛みを最小限にすることを目標に、出来るだけ愛護的な操作を行うことは必須であると考えております。
患者さんは痛みを感じていない間も、私たちは患者さんの痛みに気を配って手術を行っています。
2.手術終了前の鎮痛
手術終了前には局所麻酔薬を用いて鎮痛を行います。
体の表面の創の痛みはもちろんのこと、体の中で操作を行った創の痛みも緩和することを考慮し
腹直筋後鞘の神経ブロック、および腸骨鼠径神経のブロックを行います。
そしていわゆるNSAIDsや麻薬性の鎮痛薬を用いて、創のできた部位で起こる痛みの原因から、それを伝える神経、
痛みを近くする脳の領域に至るまであらゆる手段を用いて痛みを和らげるようにします。
3.術後の鎮痛
これらの鎮痛の方策を用いても術後完全無痛はなかなかむつかしいです。
そのような方には帰宅前に鎮痛薬を内服いただいております。
もちろん、薬にアレルギーをお持ちの方においては他の鎮痛薬も併用し、同等の鎮痛効果が出るようにしております。
鼠径ヘルニアの治療については一度ご相談ください
当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。
消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。
鼠径ヘルニアは鑑別疾患も多いので「鼠径ヘルニアかどうか分からないけど鼠径部が膨らんでいる」という方も気軽にご相談ください。
平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。
電話やLINEで24時間相談を受け付けております。