医師紹介・院長ブログ
- ホーム
- 医師紹介・院長ブログ
- 鼠径ヘルニアと運動について
所 為然外科部長
鼠径ヘルニアと運動について
近年は映像コンテンツの充実により、ご自宅でレッスン動画などを見て運動されている方も増えてまいりました。
また徐々に規制も緩和され、運動に通われている方も増えたのではないでしょうか?
本日は運動と鼡径ヘルニアに関する話題です。
鼠径ヘルニアの国際ガイドラインにはヘルニアのリスク因子が記載されています。
鼠径ヘルニアは男性に多く、対側のヘルニアがある方はもう片方に起きやすいなどが挙げられます。
また前立腺摘出術後など特定のご病気をお持ちの方に多いという傾向もあるといわれています。
ただこの中に運動を明らかなリスクとする提言は含まれていません。
運動そのものは健康増進に有益であり、制限する必要はなくむしろ励行すべきものと私は考えます。
運動と直接の関係はないかもしれませんが、1日6時間以上の立ち仕事や歩いての仕事をする方はヘルニアになりやすいというデータがあります。
また1日4000㎏以上の荷物を持ち上げる仕事をされている方もヘルニアになりやすいというデータがあります。
つまり、ウエイトトレーニングや長時間の運動などはリスクになる可能性があるかもしれません。
しかし先述した通り運動は励行するべきものと考えますので、皆様にはたとえヘルニアになったとしても治療後に運動を続けていただきたいと思います。
ヘルニア術後はウォーキングなどの軽い運動であれば術翌日からでも可能です。
ウエイトトレーニングやランニング、競技スポーツなどの強度の高い運動は2週間以降から行っていただくのが一般的です。
日々トレーニングに励んでおられる方の中にも、鼠径ヘルニアに悩まれている方がおられると思います。
お時間は取らせません。運動を愛好されている方にも日帰り手術は良い選択であると考えます。