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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長
女性の鼠径ヘルニアについて
鼠径ヘルニアは男性に多い疾患ですが、女性の患者さんからも多くのご相談をいただきます。
女性の鼠径部ヘルニア(鼠径ヘルニアと大腿ヘルニア)には男性と比べて
「嵌頓しやすい」「再発しやすい」という特徴があります。
・嵌頓のしやすさ
繰り返しますが鼠径ヘルニアは圧倒的に男性に多い疾患で、8‐10倍程度男性の方が多いといわれています。
一方大腿ヘルニアは女性の方が約4倍多いといわれています。
この原因は骨盤の形態が男女で異なるためではないかと言われています。
この鼠径部ヘルニアでの発生率の違いはそのまま緊急手術の数として表れてきます。
女性では鼠径ヘルニア患者の約17%が緊急手術を受けているのに対して
男性では約5%程度であるというデータがあります。
また大腿ヘルニア緊急手術の約23%で腸切除が必要となったともいわれています。
・再発のしやすさ
また鼠径ヘルニアを前方から修復した後の再手術の約40%に大腿ヘルニア再発がみられ、
女性ではそのリスクが10倍程度高いということも言われています。
これらのことからヨーロッパヘルニア学会(EHS)ガイドラインでは、
女性の鼠径ヘルニアに対しては腹腔鏡下の修復術が推奨されています。
当院では鼠径ヘルニアに対して日帰り腹腔鏡手術を行っております。
女性の鼠径部(股関節付近、足の付け根)のしこり、膨らみは鼠径ヘルニアでないということあります。
まずは一度診察を受けていただき、原因をはっきりさせることで安心いただくだけでも価値のある事だとおもいます。