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鼠径ヘルニアの手術方法について専門医が詳しく解説
鼠径ヘルニア専門医からのメッセージ
鼠径ヘルニアの手術方法の選択は専門医の間でも議論のあるところです。
当クリニックでは、患者さま一人ひとりに最適な鼠径ヘルニアの治療を提供しています。
ここでは、鼠径ヘルニアの手術方法について、専門医の立場から詳しくご説明いたします。
鼠径ヘルニアとその治療の重要性
鼠径ヘルニアは、足の付け根部分(鼠径部)で腹部の臓器が脱出する状態を指します。
一般的に脱腸とも呼ばれるこの症状は、放置すると重大な合併症を引き起こす可能性があります。
特に危険なのが嵌頓と呼ばれる状態です。
嵌頓が発生すると緊急手術が必要となるため、症状が確認された段階での予防的な手術が推奨されています。
→嵌頓についてはこちらの記事もご覧ください
日帰り手術のメリットと実際の流れ
当クリニックでは、患者さまの負担を最小限に抑えた日帰り手術を実施しています。
来院から帰宅までの滞在時間はわずか4時間程度です。
具体的な流れとしては、手術時間が1時間前後、その後1-1.5時間の休憩を経てご帰宅いただけます。
入院の必要がないため、ご自宅での快適な療養が可能です。
鼠径ヘルニアの手術方法
従来の鼠径部切開法について
鼠径部切開法は、足の付け根を5-7cm切開して行う手術方法です。この方法には以下のような種類があります:
・リヒテンシュタイン法:国際ガイドラインでも推奨される標準的な手術方法です。腹筋の外側にメッシュを設置する術式です。手術時間が比較的短く、多くの実績がある方法です。
・クーゲル法:腹筋の裏側からメッシュを留置する手法です。切開位置が従来の方法より少し頭側になるのが特徴で、術後の回復が早いとされています。
・シュールダイス法:メッシュを使用せず患者さま自身の組織で修復する方法です。特に若年層の患者さまに適している場合があります。
腹腔鏡手術
腹腔鏡手術は、より低侵襲な手術方法として注目されています。
5-10mmほどの小さな創で行うため、術後の痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。
・TAPP法:腹腔内からアプローチする方法で、両側の観察が可能という大きな利点があります。当クリニックでは、この手術方法を主に採用しています。
・TEP法:腹膜外腔からアプローチする方法ですが、症例によってはTAPP法への切り替えが必要となる場合があります。
当クリニックの鼠径ヘルニアに対する手術方法-TAPP法のメリット-
当クリニックでは、多くの症例に対応可能なTAPP法を標準術式としています。
わずか5mmの創で手術が可能で、両側の確実な観察ができます。
また、解剖学的な視野が広く確保できるため、より安全で確実な手術が可能です。
手術後の回復と生活への復帰
手術直後から歩行が可能で、多くの患者さまが術後1-2時間程度で帰宅されています。
痛みの程度には個人差がありますが、適切な疼痛管理を行うことで快適な術後生活を送ることができます。
当院では通常の生活へ復帰に関して制限を設けていません。
患者様の生活をできる限り邪魔しないように治療を行う手段としての日帰り手術です。
私達に求められていることは、安全性を保ちながらも時間負担が少ない手術だと存じております。
手術の費用と保険適用について
当クリニックでの手術は、すべて健康保険の適用対象となります。
日帰り手術のため、入院費用が不要で、経済的な負担も軽減されます。
多くの方が高額療養費制度の恩恵を受けて自己負担額が軽減されます。
→高額療養費制度についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
まとめ:専門医による最適な手術方法の選択
手術方法の選択は患者様の様々な要因を総合的に判断して決定します。
当クリニックでは、豊富な経験を持つ専門医が、丁寧な説明とともに最適な治療方法をご提案いたします。
ご不安な点やご質問がございましたら、当院までお気軽にご相談ください。
最新の治療法と豊富な手術実績で、皆様の回復をサポートいたします。
情報提供元
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック
所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階
電話番号:06-6341-5570