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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニア手術後の経過と生活ガイド:回復のステップと注意点

はじめに

鼠径ヘルニアの手術を受けられる患者さまにとって、術後の生活への不安は尽きないものです。

この記事では、手術後の回復過程と各時期における注意点を詳しくご説明します。

 

鼠径ヘルニアについて基礎知識

鼠径ヘルニアは、太ももの付け根(鼠径部)の筋肉に穴が開き、腸などの臓器が飛び出す状態です。

一般的に「脱腸」と呼ばれるこの症状は、40代以上の男性に多く見られます。

→鼠径ヘルニアについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

 

主な症状と治療方法

鼠径部にピンポン球状の膨らみが現れ、立位や力みで大きくなります。横になると膨らみは引っ込むのが特徴的です。治療には手術が必須となり、内視鏡(腹腔鏡)手術と鼠径部切開法という二つの主要な術式があります。

 

手術直後からの経過:時期別の注意点と生活指針

 

手術当日の過ごし方

帰宅された後の食事に関しては特に制限はありません。

ただし、この日のアルコールは控えていただく必要があります。

シャワーは可能ですが、入浴は避けてください。

痛みのピークは夜間から翌日にかけてですので、処方された鎮痛剤を上手に活用することで快適に過ごすことができます。

 

術後1日目の生活

回復への第一歩を踏み出すこの時期には、デスクワークや運転が可能になります。

日常生活では重い物を持つことや強くいきむこと、また腹筋運動は控えめにすることが大切です。

ただし日常生活動作において行う動きについては特に制限は設けません。

排便などはいきまず行うことは難しいので無理なく行ってください。

なお、内服薬は朝から再開できます。抗凝固薬なども同様に服用を再開していただけます。

 

術後2〜3日目の生活指針

仕事への本格的な復帰を考える時期となります。立ち仕事も可能になりますが、過度な負荷は避けるようにしましょう。

体の回復状態を見ながら、徐々に活動範囲を広げていくことが重要です。

 

術後1週間の回復段階

この時期になると、体を動かす際の違和感は残るものの、痛みはほぼ軽減します。

軽いジョギングや散歩、短時間の水泳といった軽度な運動から始めることができます。

ただし、筋力トレーニングなどはもう少し様子を見る必要があります。

また、性生活についても、この時期から再開していただけます。

ただし、体調と相談しながら、無理のない範囲で活動を増やしていくことが大切です。

 

術後2週間の活動範囲

メッシュの固定が進み、活動範囲が広がる時期です。

腹筋運動やゴルフなどの運動も、徐々に再開することが可能になります。

 

術後1ヶ月の完治へ向けて

メッシュの固定が完了し、通常の生活に戻れる時期となります。急激な運動は避けつつ、体調の変化には注意を払う必要があります。もし違和感が続く場合は、早めに受診することをお勧めします。

 

再発予防のための生活習慣

手術後の経過が順調な場合でも、以下の習慣を心がけることで再発を防ぐことができます:

 ・適度な運動の継続

 ・便秘を防ぐ食生活の実践

 ・定期的な経過観察の実施

ただし、ずっと気にしていなければならないということはないともいます。

元来楽しめていたものが楽しめないのでは手術をした意味がないと思います。

日常を充実させることも大切だと考えます。

 

まとめ:安心な回復のために

手術後の回復は、時期に応じた適切な注意と生活管理が重要です。

不安な症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。

当クリニックでは、患者さま一人一人の生活スタイルに合わせた術後のケアを提供しています。

土日診療も行っていますので、お気軽にご相談ください。

手術後の回復への第一歩は、この記事でご紹介した注意点を参考に、ご自身の体調に合わせた生活リズムを作ることから始まります。

焦らず、着実に回復への道のりを進んでいきましょう。

 

情報提供元

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階

電話番号:06-6341-5570

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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