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鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニア手術と高額療養費制度の基礎知識

こんにちは。鼠径ヘルニア日帰り手術専門、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。

鼠径ヘルニアの手術を検討されている方にとって、気になるのが手術費用ではないでしょうか。

 

実は日本には、医療費の自己負担を軽減できる「高額療養費制度」があります。

当院で行う腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術にも、もちろんこの制度を適用することができます。

 

この記事では、高額療養費制度の仕組みから具体的な計算方法、

さらには近年導入されたオンライン資格確認による手続きの簡素化まで、分かりやすくご説明いたします。

手術費用の心配をできるだけ軽減し、適切な治療を受けていただくための参考にしていただければ幸いです。

 

1. 鼠径ヘルニアにも適用できる高額療養費制度とは

 

鼠径ヘルニアにも適用できる高額療養費制度は、医療費による家計への負担を軽減するための制度です。

医療機関や薬局での窓口支払いが、1ヶ月(1日から末日まで)の上限額までとなる仕組みとなっています。

この制度は医科・歯科を問わず、保険診療であれば適用可能です。

そのため、当院で実施する鼠径ヘルニアの手術費用にも、もちろん適用することができます

 

上限額は患者さまの年齢や所得によって決められています。

一定の条件を満たせば、負担を更に抑えることができる仕組みも用意されています。

 

それでは、具体的な内容について、年齢別に詳しく見ていきましょう。

 

2. 鼠径ヘルニア手術の高額療養費制度:69歳以下の方の負担上限額

 

69歳以下の方の場合、所得に応じて負担の上限額が設定されています。

鼠径ヘルニア手術を受けられる際の実際の負担額を把握するため、まずはご自身の年収に該当する区分を以下の表でご確認ください。

 

厚生労働省HP「高額療養費制度を利用する皆様へ」より一部改変して引用

 

計算式だけではイメージがつきにくいと思いますので、具体的な例をご紹介いたします。

医療費が100万円かかった場合を想定してみましょう。

 

<具体的な計算例>

①20代会社員、年収300万円の場合 →窓口負担30万円が、実質負担約6万円になります。

②30代会社員、年収500万円の場合 →窓口負担30万円が、実質負担約9万円になります。

③50代会社員、年収1,200万円の場合 →窓口負担30万円が、実質負担約26万円になります。

 

このように、年収によって自己負担額が変動する仕組みとなっています。

鼠径ヘルニアの手術費用に関しても、この計算方法で負担額が決まります。ご自身の状況に当てはめてご確認ください。



3. 鼠径ヘルニア手術の高額療養費制度:70歳以上の方の負担区分

 

70歳以上の方の鼠径ヘルニア手術でも、所得に応じて負担の上限額が定められています。

 

※なお、現役並みの所得(住民税の課税所得145万円以上)の方を除き、70歳以上の方は窓口負担が2割、75歳以上の方は1割となります。

 

上限額は以下の表の通りになります。

厚生労働省HP「高額療養費制度を利用する皆様へ」より一部改変して引用

 

実際の計算例をご紹介いたします。医療費100万円の治療を受けた場合を想定してみましょう。

 

<具体的な計算例>

①70歳、年収500万円の場合 →窓口負担30万円が、実質負担約9万円となります

②70歳、年収200万円の場合 →窓口負担30万円が、実質負担約2万円となります

③70歳、年収100万円の場合 →窓口負担20万円が、実質負担約2万円となります

④75歳、年収100万円の場合 →窓口負担10万円が、実質負担約1万円になります

 

さらに、70歳以上の方には以下の特別な制度もございます:

・外来診療のみの場合の負担軽減

・世帯内の医療費をまとめて計算できる「世帯合算」制度

・過去12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合、4回目以降は上限額が下がる「多数回該当」制度

鼠径ヘルニアの手術では、これらの制度を適切に活用することで、より経済的な負担を抑えることが可能です。

4. 当院の鼠径ヘルニア手術費用への高額療養費制度の適用例

では、当院で実施している腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術に適用した場合の具体例をご紹介いたします。

当院での手術費用は3割負担でおよそ13万円となります。

この費用に高額療養費制度を適用すると、以下のような実質負担額となります。

 

<具体的な負担額の例>

①30歳代、年収400万円の会社員の場合 →実質負担額:約8万5千円(高額療養費として約4万5千円が支給されます)

②50歳代、年収900万円の会社員の場合 →実質負担額:約13万円(高額療養費の支給対象外となります)

③70歳、年収100万円の方の場合 →実質負担額:約3万円(高額療養費として約6万円が支給されます)

④75歳以上、年収50万円の方の場合 →実質負担額:約2万円(高額療養費として約2万5千円が支給されます)

 

このように、多くの患者さまの場合、実質的なご負担額は8~9万円程度となります。

 

医療費の実質負担額は、患者さまの年齢や収入によって大きく異なります。

もしご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください

個々の状況に応じて、より詳しいご説明をさせていただきます。

 

5. 鼠径ヘルニア手術時の高額療養費制度:オンライン資格確認で手続きが簡単に

最後に、高額療養費制度の手続き方法の新しくなった点を中心にご説明いたします

従来は、一旦3割負担の窓口負担額を支払った後に還付を受ける。または医療費の支払いを抑えるために「限度額適用認定証」等の事前取得が必要でした。

しかしオンライン資格確認の導入により、この手続きが大幅に簡素化されました。

 

オンライン資格確認を利用する場合

保険証を提示いただき、オンライン資格確認を行うことに同意いただくだけです。同意は口頭で伝えていただくだけで手続きは完了します

マイナンバーカードの場合は、読取端末の操作時に情報提供の同意をいただくだけです

事前に区役所等での手続きは不要です

 

従来の方法をご利用の場合

・加入している公的医療保険に、必要書類を提出後、3ヶ月程度で還付となります

・事前に限度額認定証の交付を受けることで、窓口での支払いを抑えることも可能です

 

<ご注意いただきたい点>

・食費、差額ベッド代、先進医療に関わる費用などは高額療養費制度の対象外です 。当院の行う日帰り手術ではこれらの費用は発生しません

 

当院ではオンライン資格確認を積極的に活用しております

オンライン資格確認により経済的な負担だけでなく、時間的な負担の軽減も可能です。

ご不明な点がございましたら、お気軽に受付スタッフにお尋ねください。

 

情報提供元

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階

電話番号:06-6341-5570

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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