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論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術最前線:新しい治療法の可能性

皆さんこんにちは、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。

 

鼠径部(そけいぶ)は、お腹と足の付け根にあたる部分で、筋肉や腱膜が複雑に組み合わさった場所です。この部分は人体の中でも特に脆弱な部位の一つとして知られています。

鼠径ヘルニア(脱腸)とは

鼠径ヘルニア(脱腸)は、この鼠径部の筋肉や腱膜が弱くなることで、腹腔内の臓器(主に腸管や大網)が飛び出してしまう病気です。男性であれば3人に1人、女性であれば20人に1人が一生のうちに経験するとされる非常に一般的な疾患です。

日帰り手術の進化

現在、鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は、多くの場合日帰り手術で行うことが可能です。特に腹腔鏡を使用した低侵襲手術は、日帰り手術に適しており、早期の社会復帰を可能にしています。

新しい手術方法の研究

米国の医学雑誌「Cureus」(2024年10月号)に掲載された最新の研究で、鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術における画期的な方法が報告されました。

新しい手術方法のポイント

 ・従来の金属製の固定具に代わり、医療用接着剤を使用

 ・より体に優しい低侵襲な日帰り手術が可能に

 ・術後の痛みが軽減される可能性

 ・手術時間の短縮が期待できる

期待される効果について

新しい治療法では、日帰り手術後の患者さんの生活の質を改善できるかもしれません。

まず、術後の痛みについては、従来の固定具を使用しないため、体への負担が軽減されます。手術後に感じる違和感も少なくなり、慢性疼痛のリスクが低下するかもしれません。

また、組織への負担が少ないため、回復が早まる可能性も指摘されています。これにより、日帰り手術後の日常生活への復帰がスムーズになることが期待されます。

さらに、手術時間の短縮も大きなメリットの一つです。手術時間の短縮で、患者さんの負担軽減だけでなく、より多くの患者さんに日帰り手術を提供できます。

注意点

この医療用接着剤は現在日本では未承認です。今後の臨床試験や承認プロセスを経る必要があります。

参考文献

Ledesma-Orta et al. "Cyanoacrylate Glue as an Alternative for Peritoneal Closure" Cureus 16(10): e71893. (2024)

当院の日帰り手術について

鼠径ヘルニア(脱腸)の治療は、日々進歩を続けています。当院では、現在承認されている最新の低侵襲手術(腹腔鏡手術)を日帰り手術で実施しており、多くの患者様に満足いただいています。日帰り手術は、患者様の負担を最小限に抑え、早期の社会復帰を可能にします。

違和感や痛みでお悩みの方へ

鼠径ヘルニア(脱腸)は早期発見・早期治療が大切です。違和感や痛みを感じる方は、お気軽に当院にご相談ください。日帰り手術の可能性を含め、最適な治療法をご提案させていただきます。

 

情報提供元

大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック

所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2-100号 大阪駅前第2ビル 1階

電話番号:06-6341-5570

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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