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虫垂炎論文紹介
田村 卓也院長
【珍しい症例報告】肝臓の下にあった虫垂炎の治療 ー最新の研究からー
こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック院長の○○です。 今回は、最近発表された興味深い虫垂炎の症例についてご紹介したいと思います。
研究の概要
この研究は、2024年10月にInternational Journal of Surgery Case Reportsに掲載された症例報告です。エチオピアの医療機関で経験された、非常に珍しい位置に発生した虫垂炎の治療例について報告されています。
どのくらい珍しいの?
通常、虫垂は右下腹部にありますが、この症例では以下の3つの特徴を持つ珍しい位置にありました:
- 肝臓の下(亜肝部)
- 腸の膜の下(漿膜下)
- 腹膜の後ろ(後腹膜)
特に肝臓の下にある虫垂炎は、全虫垂炎症例のわずか0.08%(約1,250人に1人)という非常に稀な状態でした。
症状はどうだったの?
20歳の男性患者さんの症状は、一般的な虫垂炎とよく似ていました:
- おへその周りの痛みが右側腹部に移動
- 発熱
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
なぜこの症例が重要なの?
- 診断の難しさ:普段と違う位置にある虫垂炎は、適切な診断が遅れる可能性があります
- 治療の複雑さ:通常と異なる手術アプローチが必要になることがあります
- 腹腔鏡手術の利点:この研究では、このような症例には腹腔鏡手術が適していると結論づけています
当院からのメッセージ
私たちの医院では、最新の腹腔鏡技術を用いた待機的虫垂炎手術を提供しています。腹腔鏡手術には以下のような利点があります:
- 手術創が小さい
- 術後の痛みが少ない
- 早期の社会復帰が可能
- お腹の中を詳しく観察できる
✨重要なポイント
お腹の痛みを感じたら、我慢せずに早めの受診をお勧めします。特に以下のような症状がある場合は要注意です:
- 徐々に強くなる腹痛
- 発熱
- 吐き気
- 食欲不振
参考文献: Teferi, D. A., et al. (2024). Acute appendicitis in a patient with sub-hepatic, sub-serosal, and retroperitoneal location. An intraoperative management challenge. International Journal of Surgery Case Reports, 125, 110540