1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 鼠径ヘルニア(脱腸)手術における術前検査の重要性 - 最新の症例報告から学ぶ -
論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニア(脱腸)手術における術前検査の重要性 - 最新の症例報告から学ぶ -

 

こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックの院長ブログです。

今回は、2024年10月に医学雑誌「Cureus」に掲載された興味深い症例報告をご紹介します。

■ 症例の概要

76歳の男性患者さんの両側の鼠径ヘルニア(脱腸)の中に、なんと尿管(腎臓から膀胱までの尿の通り道)が入り込んでいたという大変珍しい症例が報告されました。

■ 特筆すべき点

  • 患者さんには泌尿器系の症状がなく、偶然のCT検査で発見されました
  • このような症例は世界的にも報告が少ない貴重なケースです
  • 適切な画像診断により、手術リスクを事前に把握できました

■ この症例から学ぶこと

  1. 術前検査の重要性
    • 画像診断により予期せぬ解剖学的特徴を発見できる
    • 特にご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方では重要
  2. 安全な手術のために
    • 術前の丁寧な評価が必要
    • 患者さまへの十分な説明と情報共有が大切

■ 日本の医療現場への示唆

  • 高齢化に伴い鼠径ヘルニア(脱腸)の患者さまは増加傾向
  • 安全な手術のための術前評価の標準化が求められている
  • 医療機関同士の連携と情報共有の重要性

【出典】 McQueeney BE, Breiner M. A Rare Occurrence of Bilateral Ureteral Presence Within Inguinal Hernias in a Military Veteran: A Case Report. Cureus. 2024;16(10):e70831.

■ 当院からのメッセージ

当院では、すべての患者さまに対して術前の超音波検査を実施し、必要に応じてCT検査も行っています。日帰り手術は「簡単だから」と術前検査を省略するのではなく、むしろ一つ一つの症例を丁寧に評価することで、安全で確実な治療を提供させていただいております。

鼠径ヘルニア(脱腸)でお悩みの方、手術をご検討中の方は、お気軽に当院にご相談ください。経験豊富な専門医が、患者さま一人一人に最適な治療法をご提案させていただきます。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

一覧へ戻る