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論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長
大腸内視鏡検査中の珍しい合併症!鼠径ヘルニア(脱腸)による内視鏡の嵌まり込みに関する最新の研究報告
こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
今回は、中国の研究グループから報告された、大腸内視鏡検査中の珍しい合併症に関する最新の研究をご紹介します。この研究は鼠径ヘルニア(脱腸)を放置することの危険性を示す重要な報告となっています。
【出典】 Digestive Diseases and Sciences 誌(2024年)に掲載された論文 "A Second Colonoscope Helps to Release an Incarcerated Colonoscope in an Inguinal Hernia During Colonoscopy"
研究の概要
この研究では、__大腸内視鏡検査中に内視鏡が鼠径ヘルニア(脱腸)の部分に嵌まり込んでしまう__という珍しい合併症について報告されています。このような症例は2023年までに世界で約20例しか報告されていない大変稀な合併症です。
具体的な症例
- 61歳の男性患者さん
- 大腸内視鏡検査中に内視鏡が進まなくなり、抜くことも困難に
- レントゲンとCT検査で、左側の鼠径ヘルニア(脱腸)に内視鏡が嵌まり込んでいることが判明
新しい解決方法
従来は手術が必要となる可能性が高かったのですが、この症例では2本目の内視鏡を使用する革新的な方法で安全に内視鏡を抜くことに成功しました。
なぜこの研究が重要なのか
- 日本は高齢化が進み、鼠径ヘルニア(脱腸)の患者さんが増加している
- 大腸がん検診の普及で内視鏡検査を受ける方が増加している
- このような合併症を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要
当クリニックからのメッセージ
この研究は、鼠径ヘルニア(脱腸)を放置することの危険性を明確に示しています。鼠径ヘルニア(脱腸)は進行すると、今回のような合併症だけでなく、腸閉塞や嵌頓などの重大な問題を引き起こす可能性があります。
当クリニックでは、痛みが少なく、早期の社会復帰が可能な__日帰り腹腔鏡手術__を専門に行っております。鼠径部(足の付け根)の膨らみやだるさを感じる方は、重大な合併症を防ぐためにも、お早めにご相談ください。
手術に関する不安や疑問点がございましたら、お気軽に当クリニックまでご相談ください。経験豊富な専門医が丁寧にご説明させていただきます。