1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 知っておきたい!珍しい鼠径ヘルニア(脱腸)の症例 ~虫垂が含まれるアミアンドヘルニアについて~
論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

知っておきたい!珍しい鼠径ヘルニア(脱腸)の症例 ~虫垂が含まれるアミアンドヘルニアについて~


こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。 今回は、国際的な医学雑誌「International Journal of Surgery Case Reports」(2024年1月発行)に掲載された興味深い症例をご紹介します。

アミアンドヘルニアとは?

アミアンドヘルニア(Amyand's hernia)は、鼠径ヘルニア(脱腸)の中でも特殊な状態で、ヘルニアの袋の中に__虫垂__が入り込んでいる状態です。通常の鼠径ヘルニア(脱腸)の約1%という、とても珍しい症例です。

症例の概要

  • 患者さん:76歳の男性
  • 症状:右の鼠径部(足の付け根)に5年かけて徐々に大きくなるこぶができた
  • 診断:手術前は通常の鼠径ヘルニア(脱腸)と診断
  • 発見:手術中に虫垂がヘルニアの袋の中にあることが判明
  • 治療:ヘルニアの修復と虫垂の切除を実施
  • 経過:術後6ヶ月間、問題なく回復

この症例から学ぶこと

  1. 早期診断の重要性
  • 術前の正確な診断は難しいものの、早期発見・治療が望ましい
  • 長期間放置すると、今回の症例のように虫垂が袋の内側に癒着する可能性も
  1. 治療方針の決定
  • 症状や状態に応じて、適切な手術方法を選択することが重要
  • 虫垂の状態によって治療方針が変わることも
  1. 日本の医療における意義
  • 高齢化社会において、より慎重な診断と治療が必要
  • 腹腔鏡手術の技術向上により、より安全で確実な治療が可能に

当院からのメッセージ

鼠径ヘルニア(脱腸)は、早期発見・早期治療が大切です。当院では、低侵襲な腹腔鏡手術による日帰り手術を提供しています。足の付け根に違和感やこぶを感じた際は、お早めにご相談ください。

また、今回ご紹介したような珍しいケースにも対応できるよう、最新の医学知見を常にアップデートし、安全な医療を提供できるよう努めています。


気になる症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。 経験豊富な専門医が丁寧に診察・説明させていただきます。

【出典】 Tawashi K, et al. Intraoperative diagnosis of Amyand's hernia, a case report. International Journal of Surgery Case Reports. 2024;124:110465.

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

一覧へ戻る