医師紹介・院長ブログ
- ホーム
- 医師紹介・院長ブログ
- 産後の腹直筋離開と臍ヘルニアの関係 - 最新研究が明らかにする長期的影響
産後の腹直筋離開と臍ヘルニアの関係 - 最新研究が明らかにする長期的影響
産後の女性に多く見られる腹直筋離開(DRA)と臍ヘルニアの関係について
皆さま、こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。今回は、産後の女性に多く見られる腹直筋離開(DRA)と臍ヘルニア(でべそ)の関係について、最新の研究結果をご紹介します。
この研究は、「International Urogynecology Journal」に掲載された「Long-Term Outcomes of Diastasis Recti Abdominis in Postpartum Women: A Retrospective Cohort Study」という論文に基づいています。
腹直筋離開(DRA)とは?
DRAは、お腹の真ん中にある2つの筋肉(腹直筋)が離れてしまう状態です。主に妊娠中や出産後に起こり、超音波検査で筋肉の間隔を測り、診断します。
研究の概要
- 対象者:437人の産後女性を3年後から30年後まで追跡調査
- 評価項目:DRAの程度、腹筋力、腰痛、生活の質などを評価
主な結果
DRAの診断基準を3cm以上とすると、より重要な影響が明らかになりました。特に、3cm以上のDRAがある女性は以下のようなリスクが高まることが確認されました。
- 臍ヘルニア(でべそ)のリスクが約3.58倍に増加
- 腹筋力の低下
- 腰痛の増加
- 生活の質の低下
これらの影響は産後3〜10年で最も顕著でした。
研究の示唆
この研究は、DRAが単なる見た目の問題ではなく、長期的な健康に影響を与える可能性があることを示しています。特に、臍ヘルニア(でべそ)のリスク増加は注目すべき点です。
当院からのアドバイス
産後の方、特にお腹の形が気になる方は、一度専門医の診察を受けることをおすすめします。当院では、臍ヘルニア(でべそ)の日帰り手術も行っております。局所麻酔で施行可能な場合は、平日月曜日に限り初診当日の手術も可能です。当日手術ご希望の際は必ず事前のお電話をお願いいたします。(臍ヘルニアの程度によってはお受けできない場合もあります)
早期発見・早期治療が大切です。心配な症状がある方は、お気軽に当院にご相談ください。皆様の健康的な生活のサポートに努めてまいります。