ロッククライミングは、挑戦的でダイナミックな動きと精神的な集中力が求められる競技です。壁を登る際の達成感や体力の向上が魅力ですが、同時に特定の健康リスクも伴います。その一つが鼠径ヘルニア（そけいへるにあ）です。この記事では、ロッククライミングと鼠径ヘルニアの関連性、治療法、そして予防法について解説します。

鼠径ヘルニアとは？

鼠径ヘルニアは、腹腔内の臓器や脂肪が腹壁の弱い部分を通って外に突出する状態です。鼠径部（下腹部と太ももの境界付近）に発生し、特に男性に多く見られます。

ロッククライミングが鼠径ヘルニアの原因となる可能性

ロッククライミングでは、腹圧を高める動作が多く、以下の要素が関与しています：

1. コアを使った動作
   　クライミングでは、体を引き上げる動作で腹筋が強く使われ、腹圧が高まる可能性があります。

2. 急な動作の繰り返し
   　ダイナミックムーブや飛びつき動作は、腹圧を一時的に高め、腹壁に負担をかけることがあります。

3. 長時間のセッション
   　長時間のクライミングでは持続的に腹圧が増加し、腹壁の弱い部分が脆弱化するリスクがあります。

鼠径ヘルニアの予防法

残念ながら、完全に予防する方法はありません。しかし、腹筋を強化し、適切なウォームアップとクールダウンを行うことでリスクを軽減できます。腹壁の弱さには個人差があるため、注意深い対応が求められます。

鼠径ヘルニアの治療法

鼠径ヘルニアは自然治癒しないため、唯一の治療法は手術です。以下の方法が一般的です：

1. 開腹手術
   　伝統的な方法で、メッシュを使用して腹壁の弱い部分を補強します。

2. 腹腔鏡手術
   　小さな切開を行い、カメラと器具を使って補強する手術で、回復が早いとされています。

腹腔鏡手術の利点

私たちは以下の理由で腹腔鏡手術を選択しています：

• 術後感染リスクの低下
  　腹腔鏡手術では、従来の手術に比べて感染リスクが低いです。

• 術後疼痛の軽減
  　手術後の痛みが少なく、術後2週間程度まで患者さんの負担が軽減されます。

• 早期社会復帰
  　腹腔鏡手術を受けた患者さんは、仕事に戻るまでの期間が平均して約5日短くなります。

• 高い患者満足度
  　特に術後2週間までは、患者さんの満足度が非常に高いです。

まとめ

ロッククライミングを楽しむ中で鼠径ヘルニアのリスクは完全に排除できませんが、早期診断と治療で健康な状態を維持することが可能です。異変を感じた場合は速やかに医師の診断を受け、適切な治療を行いましょう。

鼠径部（足の付け根）の膨らみ、しこりは鼠径ヘルニアかもしれません。平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。電話やLINEで24時間相談を受け付けております。いつでもお気軽にご相談ください。