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論文紹介鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

内鼠径ヘルニアの治療:最新の研究と当院の取り組み

こんにちは。大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。今回は、内鼠径ヘルニアの治療に関する最新の研究結果と、当院での取り組みについてお話しします。

内鼠径ヘルニアとは

鼠径ヘルニアには主に2種類あります。外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアです。内鼠径ヘルニアは、鼠径部ヘルニア全体の約30%を占めています。

最新の研究結果

2023年、Hernia誌に興味深い研究が掲載されました。タイトルは「Does closure of the direct hernia defect in laparoscopic inguinal herniotomy reduce the risk of recurrence and seroma formation?: a systematic review and meta-analysis」です。

この研究によると、腹腔鏡下手術で内鼠径ヘルニアの欠損部(ヘルニア門)を縫合閉鎖することで、以下の可能性が示唆されました:

  1. 再発率の低下
  2. 漿液腫(術後に液体がたまる合併症)の減少

ただし、漿液腫については研究によって結果が分かれており、さらなる検証が必要とされています。

当院での取り組み

当院では、この研究結果を踏まえつつ、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療を行っています。内鼠径ヘルニアの患者さんに対しては、有効と思われる症例を選んで「反転固定法」を行っています。

反転固定法は、ヘルニア門を縫合閉鎖する代わりに、ヘルニア嚢を反転させて固定する方法です。この方法により、ヘルニアの再発リスクを低減しつつ、手術の侵襲性を最小限に抑えることができると考えています。

まとめ

内鼠径ヘルニアの治療は日々進歩しています。当院では最新の研究結果を取り入れながら、各患者さんに最適な治療法を提供できるよう努めています。ヘルニアでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

【参考文献】

  1. "Does closure of the direct hernia defect in laparoscopic inguinal herniotomy reduce the risk of recurrence and seroma formation?: a systematic review and meta-analysis" (Hernia, 2023)

ご質問やご相談がありましたら、いつでもお問い合わせください。皆様の健康と快適な生活のために、私たちは常に最善を尽くしています。

鼠径部(足の付け根)の膨らみ、しこりは鼠径ヘルニアかもしれません。平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。電話やLINEで24時間相談を受け付けております。いつでもお気軽にご相談ください。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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