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所 為然外科部長

名医が解説!鼠径ヘルニアの原因から見る注意が必要なお仕事~介護士~

はじめに

介護士として働く皆さんは、日々の仕事で体を酷使していることでしょう。今回は、鼠径ヘルニアの原因とそのリスクが高まる仕事について詳しく解説します。

鼠径ヘルニアの原因

鼠径ヘルニアは、腹壁の一部が弱くなり、腸や脂肪が鼠径管を通って突出する状態です。主な原因には以下の要素があります:

  1. 遺伝的要因: 家族歴がある場合、リスクが高まります。
  2. 年齢: 年齢とともに筋肉が弱くなり、ヘルニアのリスクが増加します。
  3. 性別: 男性に多く見られます。
  4. 腹圧の上昇: 重い物を持ち上げる、激しい咳や便秘などが原因となります。

介護士の仕事と鼠径ヘルニアのリスク

介護士の仕事は、多くの体力を必要とし、長時間の立ち仕事や重労働が日常的に行われます。以下は介護士の業務で特に注意すべきポイントです:

  1. 利用者の移動補助: ベッドから車椅子への移乗や、トイレへの移動を支援する。
  2. 入浴介助: 利用者の入浴を手助けし、体を支える。
  3. 食事介助: 食事の準備や食事中のサポートを行う。
  4. 排泄介助: トイレへの誘導やおむつ交換を行う。
  5. 体位変換: 寝たきりの利用者の体位を定期的に変えて褥瘡(じょくそう)を予防する。
  6. リネン交換: ベッドシーツやタオルの交換。
  7. 掃除: 部屋や共有スペースの清掃。
  8. 買い物や外出支援: 利用者の買い物や外出の付き添い。
  9. リハビリ補助: 理学療法士や作業療法士と協力してリハビリをサポートする。
  10. 重い物の持ち運び: 介護用具や機器の移動や設置。

これらの業務は、体力と持久力を必要とし、腰や関節への負担が大きく、腹圧の上昇が鼠径ヘルニアのリスクを高める可能性があります。

注意すべきこと

介護士として働く際には、以下の点に注意することで鼠径ヘルニアのリスクを軽減できる可能性があります:

  1. 正しい持ち上げ方: 重い物を持ち上げる際は、膝を使って持ち上げ、腰に負担をかけないようにする可能性があります。
  2. 定期的な休憩: 長時間の立ち仕事を避け、適度に休憩を取る可能性があります。
  3. 体重管理: 健康的な体重を維持し、腹圧を抑える可能性があります。

日帰り手術のすすめ

鼠径ヘルニアが発生した場合、早期に治療することが重要です。忙しい介護士の皆さんには、日帰り手術が最適です。以下がそのメリットです:

  • 短時間で完了: 手術は数時間で終わり、当日中に帰宅可能。
  • 早期復帰: 術後の回復が早く、翌日から軽い活動が可能。
  • 負担軽減: 入院が不要なため、仕事への影響が少ない。

まとめ

介護士の仕事は、鼠径ヘルニアのリスクを高める要因が多く含まれています。しかし、適切な予防策を講じることでリスクを低減できます。万が一ヘルニアが発生した場合は、日帰り手術で早期に対応することをお勧めします。健康な状態で職務を遂行するためにも、体のケアを怠らないようにしましょう。

鼠径部(足の付け根)の膨らみ、しこりは鼠径ヘルニアかもしれません。平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。電話やLINEで24時間相談を受け付けております。いつでもお気軽にご相談ください。

著者

外科部長
所 為然Yukinari Tokoro

略歴

2010年3月 広島大学医学部医学科卒業
2010年4月 成田赤十字病院
2012年4月 千葉大学医学部付属病院肝胆膵外科
2014年4月 千葉県がんセンター消化器外科
2017年4月 大阪赤十字病院消化器外科
2022年12月 MIDSクリニック開院
2024年2月 外科部長就任

資格

外科学会専門医/消化器外科学会専門医/消化器がん外科治療認定医/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本臨床外科学会/日本医癌学会/日本内視鏡外科学会/日本食道学会/日本ヘルニア学会/日本臨床栄養代謝学会

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