1. ホーム
  2. 医師紹介・院長ブログ
  3. 鼠径ヘルニアの手術~大腿ヘルニア~
鼠径ヘルニア
田村 卓也院長

鼠径ヘルニアの手術~大腿ヘルニア~

はじめに

大腿ヘルニアは、鼠径部の下、大腿部に腸が突出する状態を指します。特に中年以降の女性や出産後の女性に多く見られます。このタイプのヘルニアは、嵌頓(カントン)ヘルニアのリスクが高く、早急な治療が必要です。

解剖学的な特徴

大腿ヘルニアは、腹壁の弱い部分から腸や脂肪が大腿部に向かって突出することで発生します。大腿部の血管の脇にある大腿輪と呼ばれる孔から腸が脱出します。この位置は鼠径管よりも下にあり、通常は触診や視診で確認されます。

症状

大腿ヘルニアの主な症状は以下の通りです。

  • 鼠径部や大腿部に痛みや不快感を感じる
  • 立ち上がったり、重い物を持ち上げたときに症状が悪化する
  • 大腿部にしこりや膨らみを感じる
  • 嵌頓が起こると、強い痛みや嘔吐、発熱などの急性症状が現れる(早急に病院を受診してください)

治療方法

大腿ヘルニアの治療は手術によって行われます。以下は一般的な治療方法です。

開腹手術

開腹手術では、大腿部の切開を行い、突出した部分を元に戻し、筋膜を補強します。人工補強材を用いることで再発を防ぎます。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は、小さな切開を数箇所行い、腹腔鏡を使ってヘルニアを修復します。開腹手術に比べて傷が小さく、回復が早いのが特徴です。

術後管理の注意点

術後は以下の点に注意する必要があります。

  • 傷口の清潔を保ち、感染を予防する
  • 激しい運動や重い物を持つことを避ける
  • 医師の指示に従い、徐々に日常生活に戻る
  • 痛みや腫れが続く場合は速やかに医師に相談する

日帰り手術のメリット

大腿ヘルニアの手術は、日帰りで行うことが可能です。日帰り手術には以下のようなメリットがあります。

  • 入院が不要: 患者の負担が軽減され、快適な環境で回復が可能です。
  • 感染リスクの低減: 病院内での感染リスクが減少します。
  • 早期社会復帰: 迅速に日常生活や仕事に戻ることができます。
  • 医療費の削減: 入院費用が不要なため、全体の医療費を抑えることができます。

まとめ

大腿ヘルニアは早期発見と治療が重要です。特に嵌頓ヘルニアのリスクが高いため、異常を感じた場合は早めに専門医の診断を受けることが必要です。当院では、安全かつ効果的な治療を提供し、患者様の生活の質を高めるためのサポートを行っています。大腿ヘルニアの治療をお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。

著者

院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職
2024年2月 MIDSクリニック院長に就任

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

一覧へ戻る