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鼠径ヘルニア
所 為然外科部長

スポーツは鼠径ヘルニアの原因になるのか?~ 乗馬 ~

スポーツが健康に良いことは誰もが知っています。しかし、特定のスポーツが鼠径ヘルニアの原因になる可能性があるという話を耳にしたことがあるでしょうか?今回は、特に乗馬について、そのリスクと治療法を探ります。

鼠径ヘルニアとは?

鼠径ヘルニアは、腹壁の一部が鼠径部(足の付け根)から突出する状態を指します。これは、腹壁の筋肉や組織が弱くなったり、穴が開いたりすることによって起こります。主な症状として、足の付け根にふくらみやしこりが見られ、このふくらみは特に立っている時や運動中に顕著になります。

乗馬と鼠径ヘルニアのリスク

乗馬は全身運動であり、筋力とバランス感覚を鍛える素晴らしいスポーツです。しかし、以下の要因が鼠径ヘルニアのリスクを高める可能性があります:

  1. 腹圧の増加:乗馬中は腹部にかなりの圧力がかかります。特に、馬の動きに合わせて体を支えるために腹筋を使うことで、腹圧が上昇します。
  2. 突然の動き:馬の突発的な動きやジャンプに対応するため、体が急激な力を受けることがあります。これにより、腹壁に過度なストレスがかかることがあります。
  3. 長時間の運動:長時間にわたる乗馬は、腹筋や鼠径部に繰り返し負荷をかけるため、ヘルニアのリスクを高めることがあります。

治療法

残念ながら、鼠径ヘルニアを予防するための確実な方法はありません。鼠径ヘルニアが発生した場合、唯一の治療法は手術です。以下に手術の概要を説明します:

  1. 手術の必要性:鼠径ヘルニアは自然には治りません。むしろ、放置すると悪化するリスクがあります。足の付け根にふくらみやしこりがある場合、早期に医師の診察を受けることが重要です。
  2. 手術の種類:鼠径ヘルニアの手術には、前方アプローチの手術と腹腔鏡手術の二つの方法があります。どちらの方法も、突出した組織を元の位置に戻し、弱くなった腹壁を補強することを目的としています。
  3. 手術後の回復:手術後はまず軽い運動から開始し、徐々に体を慣らしていきましょう。特に制限を加える必要はありませんが、無理ない範囲で体を動かすことで回復が早まります。

まとめ

乗馬は素晴らしいスポーツですが、鼠径ヘルニアのリスクを完全に排除することはできません。足の付け根にふくらみやしこりがあると感じた場合は、早めに医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。手術は唯一の治療法であり、適切なタイミングでの手術が早期回復と再発防止に繋がります。

乗馬や他のスポーツを楽しむ際には、自身の体を大切にし、健康を第一に考えて活動することが重要です。

 

足の付け根、股関節前面の膨らみ、しこりは鼠径ヘルニアかもしれません。

鼠径ヘルニアの日帰り腹腔鏡手術なら大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックにお任せください。

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著者

外科部長
所 為然Yukinari Tokoro

略歴

2010年3月 広島大学医学部医学科卒業
2010年4月 成田赤十字病院
2012年4月 千葉大学医学部付属病院肝胆膵外科
2014年4月 千葉県がんセンター消化器外科
2017年4月 大阪赤十字病院消化器外科
2022年12月 MIDSクリニック開院
2024年2月 外科部長就任

資格

外科学会専門医/消化器外科学会専門医/消化器がん外科治療認定医/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本臨床外科学会/日本医癌学会/日本内視鏡外科学会/日本食道学会/日本ヘルニア学会/日本臨床栄養代謝学会

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