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田村 卓也副院長

肥満は鼠径ヘルニアの原因になるのか?

こんにちは大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。今回は、肥満と腹部ヘルニアの関係についての最新の研究結果を紹介します。

肥満は腹部ヘルニアのリスク要因としてよく知られていますが、この関連性を確認した研究は少ないのが現状です。

そこで、UCLA Healthで行われた最新の研究を元に、肥満と腹部ヘルニアの関係性について詳しく見ていきましょう。

Obesity and abdominal hernia in ambulatory patients, 2018-2023

研究方法

この研究は、2018年1月1日から2023年6月6日までの期間にUCLA Healthで治療を受けた16歳以上の外来患者を対象とした横断研究です。腹部ヘルニアは、診療時のICD-10コード(K40-K46)を用いて特定されました。

研究結果

1,362,440人の患者の中で41,703件のヘルニアが特定され、これは人口10,000人当たり306.1件に相当します。患者の平均年齢は62.5歳(±16.1歳)で、57.6%が男性でした。

  • 鼠径ヘルニア:

    • 肥満度が上がるにつれて、鼠径ヘルニアのリスクは低下しました
      • 肥満 (BMI 30-39.9 kg/m²): OR = 0.60 (CI 0.56-0.65)
      • 病的肥満 (BMI 40-49.9 kg/m²): OR = 0.29 (CI 0.23-0.37)
  • 大腿ヘルニア:

    • 大腿ヘルニアの有病率には男女間で有意差は見られませんでした(男性: 0.7/10,000, 女性: 0.9/10,000, p = 0.19)

考察

つまり肥満は鼠径ヘルニアの原因とは言い難いということになります。

このことは既に様々な国からも報告があり、医療者の間では周知の事実ですが、診療を行っていると「最近太ったからかなぁ」という声を良く聞きます。

必ずしも肥満が鼠径ヘルニアの原因ではないということですが、皆さんの健康のためにも太り過ぎないことは大切だと言えます。

 

今回の論文も外来患者さんが対象となっていることでわかる通り、鼠径ヘルニアは日帰り手術で治せます。

日帰り手術をご希望の方は当院までご相談ください。

 

著者

副院長
田村 卓也Takuya Tamura

略歴

2012年3月 川崎医科大学医学部卒業
2012年4月 川崎医科大学附属川崎病院
2014年4月 大阪赤十字病院
2022年12月 MIDSクリニック入職

資格

外科学会専門医/内視鏡外科学会技術認定医/癌治療認定医/JATEC(外傷診療研修)修了/緩和ケア講習会修了

所属

日本外科学会/日本消化器外科学会/日本内視鏡外科学会/大腸肛門病学会/日本ヘルニア学会/日本臨床外科学会

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